自信満々のマキロイ「全英オープンみたいだ」
2015年 全英オープン
期間:07/16〜07/19 場所:セントアンドリュース(オールドコース)(スコットランド)
アジアンツアー会長寄稿/2015年7月号
アジアンツアー・チラハン会長 「オープンな機会」
「ジ・オープン」。それは世界最古のゴルフトーナメントで、歴史と伝統に包まれており、出場資格を得た選手の誰もが、4大メジャーの中で最古のこの大会を、長く色褪せることのない記憶とともに後にする。
今年7月、第144回となる「ジ・オープン」(全英オープン)は、いつもより少しだけ特別だ。ゴルフ発祥の地と呼ばれるセントアンドリュースのオールドコースがその舞台となるからだ。
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北アイルランド出身の世界ランク1位、ロリー・マキロイが保持するクラレットジャグを手に入れるため、アジアンツアーは再び強固な布陣で挑む。
アジアンツアーで賞金1位を走るアニルバン・ラヒリ(インド)と、史上唯一3度の賞金王に輝いたタイの英雄トンチャイ・ジェイディーが、セントアンドリュースで我々の旗を誇らしく掲げてくれることだろう。私には、彼らがオールドコースで光り輝く姿がありありと目に浮かぶ。
両選手とも、過去1年間で素晴らしい成績と勝利を収めてきた。彼らは、世界で通用する技をアジアンツアーで研ぎ澄ますことができる、という偉大なる証明だ。
アニルバンとトンチャイは、今まさに絶好調と言っていい。タイのベテランは昨年スウェーデンで欧州での2勝目を挙げ、スコットランドには今年5月の英国での2連続トップ10入り(BMW PGA選手権2位とアイルランドオープン10位)を引っさげて戻ってくる。
アニルバンにとっては、2月のマレーシアとインドで、3週間のうちに挙げた2勝が世界への扉を開いた。彼は世界ランク50位の壁を突破し、アメリカとヨーロッパの大きな試合で経験を積むようになった。
彼のここ数カ月の成績は決して目を見張るようなものではないが、私はそれを、多くのコースが彼にとって初体験だから、という理由に帰結できると考えている。
トンチャイは今年で7年連続の全英出場を果たす。このメジャー大会での継続性こそ、彼の能力の高さを物語っている。
彼の全英での最高位は、最終日を首位と数打差で迎えた2009年の13位タイだが、彼がゴルフを始めた年齢の遅さを考えると、今年のセントアンドリュースで自己ベストを更新したとしても私はまったく驚かない。
アニルバンにとっては3度目の出場となるが、彼は自身のデビューとなった2012年大会を鮮明に思い出すことだろう。3日目に魔法のようなホールインワンを達成して、31位タイに入ったのだ。
昨季賞金王のアメリカ人選手デビッド・リプスキーも、セントアンドリュースのエリート・フィールドに加わる1人だ。彼はオールラウンドプレーヤーなので、良いプレーを見せてくれることだろう。彼のプレースタイルはセントアンドリュースに完璧にマッチしており、好成績が期待できる。
セントアンドリュースでプレーする他のアジアンツアーのスター達は、アメリカのジョナサン・ムーアとオーストラリアのスコット・ヘンド、そしてマーカス・フレイザーで、彼らは皆、全英の予選シリーズとなった12月の「タイランド選手権」で上位成績を収めて出場権を勝ち取った。
セントアンドリュースに着いた我がプレーヤーたちにとって最も大きな挑戦は、オールドコース全体のイメージを頭に焼き付け、明確な戦略を持つことだろう。当然ながら、入れれば即ペナルティとなるポッドバンカーは避けるべきだ。
また、全英ではたびたび、天候も大きな役割を果たす。“1日に四季がある”といわれる環境で、選手たちは精神的にも最悪のコンディションに備えて準備をしなければならない。
私が2000年にオールドコースでの「ジ・オープン」をプレーしたときは、幸運にも1週間を通して青空と明るい陽射しに恵まれた素晴らしい天気となった。スコットランド人はそんな好天を“ピクニック・ウェザー”と呼ぶそうだ。
当時はタイガー・ウッズが大差をつけてクラレットジャグを手に入れた。彼の戦略は極めてシンプルで、悪名高いバンカーを避ける、ということだった。
私がセントアンドリュースに戻るとき、思い出をたどるノスタルジックな歩みとなることは間違いない。ツアーオフィシャルとして参加する今となっても、その地に立てば、夢のような感情に包まれることに変わりはない。
情報提供:ASIAN TOUR