杉原輝雄、岡本綾子らが日本プロゴルフ殿堂入り
一般財団法人日本プロゴルフ殿堂は16日(火)、都内で第3回の日本プロゴルフ殿堂入り顕彰者を発表した。
1973年のツアー制施行前に活躍したレジェンド部門では63年の「日本シリーズ」覇者・石井朝夫と、台湾から帰化し「ダウンブロー」という言葉を浸透させた陳清波。ツアー制施行後に目覚ましい飛躍を遂げたプレーヤー部門で永久シード選手の故・杉原輝雄と、日米両ツアーで賞金女王に輝いた岡本綾子を選出した。
顕彰セレモニーは2015年2月16日(月)、東京都の日本橋三越本店、本館1階の特設ステージにて行われる。
<顕彰者コメント>
■ 石井朝夫 ※日本シリーズ1勝、関東オープン2勝、マレーシアオープン2勝など
「殿堂の顕彰を受けることは、最高の栄誉だと思います。もうこれ以上のことはありません。その言葉につきますね。みなさんに感謝します。昭和14年に川奈ホテルで行われた日本プロ選手権で、戸田藤一郎さんと宮本留吉さんの決勝を見て、すごいものだと思いました。当時、キャディをしていましたが、自分もプロゴルファーになれるかなと思って、ゴルフの道に進みました。戦争も経験しましたし、苦しいことばかりだったような気がします。もう91歳になりました。手が上がらなくなってくるお年寄りのためにどんなスイングがいいのか、いろいろ勉強しています。私にはゴルフしかないので、命ある限り、やっていこうと思います」
■ 陳清波 ※日本オープン1勝、日本シリーズ1勝、日本プロシニア1勝など
「こんなにうれしいことはありません。日本の協会の皆さん、ファンの皆さんのおかげで、いままで元気にやってこられました。日本のゴルフ界がこんなに発展したおかげじゃないかと思います。今まで試合でも賞はたくさんもらいましたが、素晴らしい賞を頂いて感謝します。一番印象に残っているのは28歳の時に台湾から東京GCに入社して、1年目に日本オープンに勝ったことです。昨日のことのように覚えています。私にとって、一番いいスタートになった。河口湖の所属ももう35年くらいになります。みなさんにかわいがってもらって、応援してもらって、長い道のりでしたが頑張ってこられました。ありがとうございました」
■ 杉原輝雄(コメントは長男・杉原敏一) ※日本通算57勝(うち73年のツアー制施行後は28勝) など
「親父が認められて、あらためてうれしいです。親父にはたくさん怒られましたが、後になってから怒られた意味が分かってきて、いまは感謝が増えていくばかりです。周りの方でも親父に怒られた方がたくさんいらっしゃると思います。ブラックユーモアの聞いた言葉をかけられた方も多いと思います。でも、怒ったり、話したりするのは、親父がその方を好きだったからで、嫌いな人とは口もきかない人でした。恨まないでください。親父のゴルフに取り組む姿勢が、この賞につながったのだと思います。優勝もたくさんありましたが、コツコツとゴルフ人生を全うしたと思います。病気の時も相当しんどいはずなのに頑張る人でした。これからは、親父と同じ優勝トロフィーに名前を刻むことが私の目標です」
■ 岡本綾子 ※日本女子ツアー通算44勝、米女子ツアー17勝 81年日本女子ツアー賞金女王、87年米女子ツアー賞金女王など
「ありがとうございます。樋口さん、青木さん、ジャンボさんの諸先輩には競技者として数字では及びませんでしたが、国内外で活躍できたことで殿堂入りできて光栄です。まだまだ諸先輩がクラブを振っている姿を見て、私は…一番若いはずなのに(クラブは)倉庫にあります。振り返ると、現役時代には思いませんでしたが、米国LPGAの賞金女王、日本の賞金女王、もちろん、日本のメジャーを獲れたことなど、うれしいことがたくさんありました。米国ではもう一歩でメジャーには届きませんでしたが、悔いの残らない試合をしてきました。なかなか私も頑張ったかなあと思います。これからは、若い人たちが世界に羽ばたくのを、何らかの形でお手伝いできると信じてやっていきたいです」