勝が値千金のバーディで最終組死守!「自分を信じて頑張りたい」
悲願へ向け、日本が単独3位で踏ん張った。長野県の軽井沢72東で行われた「世界女子アマチュアチーム選手権」の3日目、押立コースを回った日本チームは、勝みなみが3アンダー、岡山絵里と松原由美がそれぞれ2アンダーをマークしてチームスコアを5つ伸ばし、通算17アンダーで最終日へ。過去、日本チームは4位がベスト。首位のカナダとの差は6打に広がったが、初の表彰台、そして初優勝へと向け総力戦に挑む。
「何が何でも、誰か1つバーディを獲ってきて」と阪本知子キャプテンが懇願したのは、雷雲接近のために中断となったクラブハウスの中でのこと。中断を知らせるホーンが鳴ったとき、1番手の岡山は18番グリーン、2番手の松原は18番ティ、最後の勝は17番ティに立っていた。
その時点でのリーダーボードは、日本とオーストラリアが通算16アンダーで並んで3位タイ。このままのスコアで終われば、最終組(最終3組の組み合わせ)はカナダ、韓国、オーストラリアになってしまう。
「今大会は(3位以内に入って)日の丸を揚げることが目標。最終組の1組前でリラックスできるかというとそうでもない。ここまで来たら目の前の敵と戦うマッチレース。調子の良いカナダ、韓国に食らいついてバーディを獲っていきたい」との狙いがあった。
この期待に応えたのは、やはり勝だった。再開直後の17番(パー3)で、8Iを振り抜いて5メートルにつけると「打った瞬間やらかしたと思った…」という強めのパットがカップに沈み、値千金のバーディ奪取。「雨が降って、グリーン(の状態)が分からないまま打ったけど、なんとか入ってくれたので良かった」と照れ笑いを浮かべたが、このバーディが日本の最終組を確定させた。
勝の目には頂点も見えている。「日本ジュニアでも、最終日の1番(ホール)で7打差になったけど、そこから逆転して優勝できた。調子の良いカナダチームの上をいかないと優勝には手が届かないけど、自分を信じて頑張りたい」。
「世界アマチュアチーム選手権」は52年ぶりの自国開催。だが、日本開催を含む最初の3大会は男子のみで、女子は初めて日本を舞台に戦っている。
「ギャラリーもメディアもたくさんついて、最初は緊張で硬くなっていた部分もあったけど、選手たちは自分に対する応援だと思えるようになってきた。拍手をもらえれば選手たちの力になる」と阪本キャプテン。応援は大歓迎、明日は総力戦が待っている。(長野県軽井沢町/今岡涼太)