PGM×アコーディア=“世界最大”の衝撃と活路は/ゴルフ場経営者協会会長に聞く

2024年 平和説明会
世界最大のゴルフ場保有会社誕生を業界団体はどう見ているか

昨年12月18日、業界を駆け巡るビッグニュースが飛び出した。ゴルフ場国内2位の「パシフィックゴルフマネージメント」(PGM)の親会社である「平和」が、国内最大手「アコーディア・ゴルフ」の全株式を保有する投資会社を買収して子会社化すると発表。世界最大321カ所のゴルフ場保有会社が誕生する運びとなった。

一般社団法人日本ゴルフ場経営者協会(NGK)の会長を務める手塚寛氏は20日、都内で行われたゴルフ業界関係者の新年会に参加し取材に応じた。「さすがにちょっと驚きました」と衝撃の大きさをにじませつつ、冷静に受け止めている。「業界の地図がどう変わるのかなとか、いろいろ考えてはみたんですけど、勝手な憶測(ばかり)ではあまり意味がありませんから」

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決して悠然と構えているわけではない。コロナ禍で復活の気配があったゴルフブームも少し落ち着き、日本全体の人口減少が続く。年々厳しさを増す夏の猛暑で芝の生育管理もどんどん難しくなっている。今年は団塊の世代(1947~49年生まれ)が後期高齢者(75歳以上)となる“2025年問題”のタイミングにも重なる。横たわる多くの難題に対して抱いていた危機感が、今回の買収劇でより差し迫ったものになった面はあるという。

世界最大のゴルフ場保有会社というスケールメリットは間違いなくある。321コースを回った時に得られるポイントシステムが一元化されるのはゴルファーにとって分かりやすい魅力。手塚氏も「大量仕入れによって価格(コスト)も安くなるでしょうし、たぶん納期も優先されるのでは。さらに売り上げ、利益、人件費と300コース以上のデータを持つことになる。やっぱり大型の強み、数の原理ですから」と経営サイドの利点を認める。

2025年 ゴルフ新年会
コロナ禍を経て6年ぶりとなったゴルフ新年会には日本ゴルフ場経営者協会を含めて関連15団体が集まった(提供:ゴルフ新年会)

現在2000を超える日本国内のゴルフ場の淘汰は進んでいくとみられる。ひとつの可能性として、たとえ話を持ち出す。「田舎の商店街にある日、大型ショッピングモールができる。さびれた商店街がシャッター街になっていく中でも、大型店舗と共存共栄でやっていく(個人)商店もある。勝手に自分で勝ち負けを決める必要はない。地図が変わる中で、各ゴルフ場がどういうかじ取りをするのか。今まで以上に特色を出していかないと」

個々の経営戦略を尊重しつつ、横のつながりも生かしていきたい考えだ。NGKのホームページによれば、同協会には北海道から沖縄まで230のゴルフ場が加盟している。「経営者協会みたいな中で共同購入機能を高めて、300コースまではまとまらなくても、もうちょっとロットをまとめて、年間の購買数や(購買の)時期を確定させることによって価格を下げてもらう交渉も、余地としてはある」とひとつの戦い方に言及した。

ゴルフはクラブをそろえ、打ち方を教わり、コースまで遠出することによってプレーできるスポーツ。練習場でも楽しめるとはいえ、気軽に始められるとは言えないかもしれない。「でも、お客さんが一人1万円も(プレーフィを)出してやるレジャースポーツって、ほかにないじゃないですか。それが年間(来場者数として)8000万人、9000万人も入っている。だからいま、ある意味ではチャンスだと思っているんです」。喫緊の課題と向き合い、変えるべきところを変えていく好機。苦境にこそ活路を見出す。(編集部・亀山泰宏)

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