「自分がどうしたいかを考えられた」 吉田鈴2年ぶりのオーガスタへ
◇女子アマチュア◇オーガスタナショナル女子アマチュア 2日目(4日)◇ジョージア州・チャンピオンズリトリート(6360yd、パー72)、オーガスタナショナルGC(6365yd、パー72)
「風で体が揺れるし、ダメかと思った!」と吉田鈴が息を吐いたのは、18番グリーンを降りてすぐのこと。言葉からは感じられないほど、踏ん張りどころで冷静なジャッジが光った。
決勝ラウンドに進める上位30枠を競う2日目は、29位からスタート。前半をパープレーで終えたが、後半は12番からの3連続ボギーで通算3オーバーに後退した。「16番の辺りで、2オーバーまでは通過するだろうけど、3(オーバー)はどうかなとずっと考えていました」と予選通過が気になるライン。2、3mのパーパットを入れてしのいできた中、最終盤でもピンチに見舞われた。
奥からの傾斜が強くかかる17番(パー3)で、ティショットを左奥のラフに外した。現地で手配したキャディのジョン・オースティン・アルバレス氏と、身振り手振りを交えながら球の落としどころを話し合う。初出場の2022年から3年連続のタッグ。英語でのやり取りも細かいニュアンスまではくみ取れないが、相手が言いたいことはなんとなく分かるようになってきた。
「キャディさんは、上げて易しい球で行きなと教えてくれたけど、私のフィーリングでは転がした方がいいと思った」と相談の末、ソールした時の自分の感覚を信じることに決め、1mに寄せてパーをセーブした。
18番(パー5)も3打目を左のラフに外したが、“OK”の距離に寄せて1パットでフィニッシュ。カットライン上の通算3オーバー23位で決勝進出を決めた。
初出場の2022年は20位で終え、昨年は予選落ち。「1回目に出た時はキャディさんに引っ張ってもらったけど、今回は自分がどうしたいかも考えられた。そこが、一番違うかなと思います」。自信を胸に2年ぶりのオーガスタに向かう。(ジョージア州エバンス/谷口愛純)