人生初海外で「ビックリ」なめぐり合わせ 佐藤快斗が日本勢最上位スタート
◇アジアパシフィックアマチュアゴルフ選手権 初日(26日)◇ロイヤルメルボルンGC(オーストラリア)◇7055yd(パー71)
ラウンド中、同組の中国人選手のチェン・ユンホーからいきなり日本語で話しかけられた。「『いま何年生?』とか聞かれて、ちょっとビックリしました。中学時代に明徳義塾(高知)にいたそうで」―。佐藤快斗(さとう・かいと/埼玉栄高3年)にとって、今週が人生初の海外での試合。こういっためぐり合わせも、国際試合ならではの醍醐味だ。
国際試合そのものは今大会で3度目だが、過去の2試合はいずれも日本開催だった。プライベートも含めて海外に来るのも初めてだといい、「あまり気持ちは変わらない。でもコースが(日本と)ぜんぜん違うので、そこは海外っぽい。今週はステーキも食べました。美味しかったです」と初々しく話す。
太陽が雲に隠れ、気温は10度台前半と冷たい風が吹く厳しいコンディションで迎えた大会初日の朝。午前9時9分にティオフした佐藤はスタートの9番をボギーとしたが、「ティショットを曲げたので、よくボギーで済んだという感じ。切り替えていきました」。10番からは根気強くパーを5つ並べた。
15番で2つ目のボギーをたたいたが、17番(パー5)でがまんのご褒美が待っていた。ティショットをフェアウェイセンターに運び、ピンまで240ydの2打目でグリーンに乗せた。フォローの風の中、4Iで打ったボールはグリーン手前の花道にキャリーし、硬い地面を転がった。「狙い通りの良いところで跳ねて、前に行ってくれた」。イメージ通りのまま5mのパットを沈めてイーグルを奪った。
後半は2、4番でスコアを落としたものの、上がりの8番をバーディで締めた。1イーグル1バーディ、4ボギーの「72」で回り、日本勢最上位の9位発進。「結構ラインは読めているし、ショートパットもよく入ってくれた。ショットもそんなに曲がっていないし、自分の思い通りの球が打てている」と手応えをにじませた。
アジア・太平洋地域のNo.1アマチュアを決める大舞台でも臆することなく戦う17歳。「イーブンを目標にして耐えるって決めていたけど、もったいないボギーもあったのでそこは修正したい」と反省しつつ、「あすはきょうよりいいプレーをして、マネジメントもちゃんと頭を使って考えてやっていきたい」。鮮烈な世界デビューを狙う。(オーストラリア・メルボルン/内山孝志朗)