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服部道子・五輪女子ゴルフコーチに訊く 何をするのが役割ですか?

2019/09/17 17:01


2020年東京五輪の開幕まで、11カ月を切った。ゴルフの女子代表を率いるのは、今年6月に就任した服部道子コーチ(51)。国内ツアーの賞金女王(1998年)や通算18勝の実績、海外経験の豊富さを買われ、男子の丸山茂樹コーチ(50)とともに重責を担う。

だが、大きな疑問は湧く。五輪のゴルフ競技は男女とも、4日間72ホールの個人戦ストロークプレーだけが実施される。国別のチーム対抗戦はない。また、各国の女子代表は世界ランキングに基づく五輪ランキングにより、2020年6月29日時点で最大4人が自動選出される。

代表選手は大会直前まで決まらない上、多くの選手は普段から個人として別のコーチに師事している。言ってしまえば、権限は不明瞭。それでも「日の丸」を背負うことになる五輪コーチの役割とは、何なのだろうか?率直な問いをぶつけた。(聞き手・林洋平)

「真夏の霞ヶ関」を知り尽くそう

大役を引き受け、まず初めにやりたかったことは「真夏の霞ヶ関カンツリー倶楽部を知っておく」ことだったという。東京五輪の女子ゴルフは、埼玉県川越市にある同コースで8月5-8日に開催される。今年8月には20日と30日の2度、自身で18ホールずつラウンドした。

五輪に向けた2016年のコース改修後、5回ほどラウンドしていた。ただ、暑さを体感したかった。芝の状態、コースは夏と冬で違った色になる。ラフはそれほど長くなかったが、特殊な薬剤をまき『真っすぐに芝を生やしている』と(霞ヶ関CCの)メンバーから聞いた。長さの割に難しさがある

改修後にワングリーンになり、ポテトチップのような傾斜がある。ティショットは広い印象がある。五輪なので、端にピンを切ってくると思う。(1)グリーン上でのプレー (2)ピンを狙って外したときにどれだけセーブできるか (3)グリーンを狙うショットの精度。この3つが、かなり問われると思う

距離はそこまで長くない。推測だが、伸ばし合いになると思う。水をまかないと枯れてしまうので、グリーンはそこまで硬くできない。アグレッシブさに加え、セーブ力が必要になる

余計な先入観につながらぬよう言葉を選びながらコースの印象を話す様子に、プレーヤーとしての経験がにじむ。代表選手は本番で、すでに予想されている極めて厳しい暑さと、国民の期待の中でプレーすることになる。酷暑の中での下見ラウンドは、選出された選手たちも大会直前まで経験できない分、貴重なものになりそうだ。

技術的アドバイスは不要

五輪のメダル獲得が至上命令となる競技では、五輪コーチの技術的な指導が持つ意味は戦略的にも戦術的にも大きいと言える。これに対し、日本の女子プロゴルファーは自身のチームを組み、年間を通じて組まれたトーナメントを戦っている。こうした事情を前提に、どう臨もうと考えているのか?

選手にとって、東京五輪が特別な大会であることは間違いない。一週間を良い状態で迎えられる環境を整えることがコーチの務めだと考えている。ただ、どんなメンバーになっても、技術は何も言うことがない。何か言うぞ、というオーラすら選手は嫌だと思う。たぶん『黙っていてくれ』って言われるはず(笑)

コンディション調整などは、選手本人と選手のチームスタッフに任せれば良い。チーム戦ではなく個人戦である以上、それぞれのペースを尊重するべきだ。トッププロが、なるべく自分たちのペースで試合に臨めるのが一番。ほどよい距離感で、緊張感ある試合を戦うサポートをできればと思う

代表選手たちがプレーに集中できる環境をいかに整えるか?の一つの解は、2016年のリオデジャネイロ五輪に赴いた際に丸山コーチが示した“広報役”かもしれない。トッププロとしての経験がある服部コーチもまた、語るべき言葉や語るべきではない情報があることを知っている人物と言えそうだ。

自国開催はプレッシャーかアドバンテージか

112年ぶりにゴルフ競技が復活したリオ五輪では、野村敏京が4位で惜しくもメダルを逃した。東京開催は選手たちにとって地の利なのかプレッシャーなのか?

地の利はかなりある。現在、日本選手の世界ランク最上位の畑岡奈紗さんは米国でやっているが、そもそも林間コースに日本人は慣れている。霞ヶ関CCに池が絡むホールはほとんどない。渋野日向子さんが勝った『AIG全英女子オープン』も似たようなコースだった。畑岡さん、渋野さんの2人に限らず、日本人選手には有利だと言える

今の世界ランキングは2人(畑岡、渋野)が15位以内にいる。その後に鈴木愛選手、比嘉真美子選手らが続く。どの選手が代表になっても、ものすごくアドバンテージがある。メダルを獲る可能性、金メダルの可能性は十分ある

ポジティブにアドバンテージだけを語った。いわゆる「黄金世代」の活躍で一気に選手層が厚さを増す中、後輩たちを見守る目はやさしく、選手名を挙げるごとに目尻は下がりがちになる。

がらりと変わった期待

とりわけ、渋野日向子の「全英女子」制覇後、日本の女子ゴルフを取り巻く状況は大きく変わった。米国ツアーを主戦場としながら、9月に国内メジャー3勝目を最年少で達成した畑岡奈紗への期待も大きい。

渋野さんは女子だけではなく、日本のゴルフ界において、爽やかな、強い風だと言える。新しい風を吹き込んでくれた。『全英』の週と後では、ゴルフ界の状況がガラリと変わった。最大の魅力はプレッシャーがかかったとき、ショットからパターまで躊躇(ちゅうちょ)せずに振り切れること。プレッシャーがあるときこそ、彼女の強さが発揮される

畑岡さんは色々なことを試しながら、調整している段階のように感じる。今年、米国ツアーの4日間大会で初めて優勝した。じゃあ、次こそは海外メジャー制覇という気持ちになったはず。気持ちが強すぎたとは言えないが、体のバランスとうまくマッチできないことが何回か続いてしまったように思う。実力は紛れもなく本物。悔しい思いをしながら、メジャーでどのようにパフォーマンスを発揮できるかのチャレンジを重ねていると思う

五輪代表コーチには選任されたものの、開幕直前に代表選手が自動決定される特殊な競技環境で、しかもメダルを期待される自国開催。責任と重圧を感じざるを得ない中で、まず自らの経験を最大限に生かす“真夏の霞ヶ関CCに詳しくなること”を目指した現場主義は、後輩たちにとって五輪開幕が近づけば近づくほど頼もしい存在となりそうだ。今後の発信に注目したい。

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