チェ・ナヨンが独走! 美香は3位浮上で最終日へ
◇海外女子メジャー第3戦◇全米女子オープン 3日目◇ブラックウォルフランチャンピオンコース(ウィスコンシン州)◇6,984ヤード(パー72)
戦況は一変し、優勝争いに大きな変化が生まれたムービングデー。首位に4打差でスタートしたチェ・ナヨン(韓国)が8バーディ、1ボギーの「65」と別次元のプレーを披露し、通算8アンダーの単独首位に浮上。2位に6打差をつける独走態勢を築き、メジャー初タイトルに王手をかけて最終日を迎える。
通算2アンダーの単独2位に、「69」をマークしたエイミー・ヤン(韓国)が浮上。通算1アンダーの3位タイに、レクシー・トンプソン、サンドラ・ガル(ドイツ)、そして7位タイからスタートした宮里美香が続く。宮里は風も吹いた難コンディションの中で1つ落とすにとどめ、僅か5人というアンダーパーグループに残っている。
単独首位のスーザン・ペターセン、2位タイのミッシェル・ウィはともに「78」と崩れ、それぞれ通算1オーバーの7位タイ、通算2オーバーの13位タイに後退。日本勢では、宮里藍が通算3オーバーの15位タイ、横峯さくらが通算4オーバーの20位タイと一歩後退している。
<「14年前に朴セリが成し遂げたことを引き継ぎたい」>
大会3日目、予選ラウンドの猛暑が過ぎ去ると、代わりに強風が訪れた。決勝に進出した65名中、この日アンダーパーでラウンドしたのは5人だけ。そんな中、8バーディ1ボギーとひとり突き抜けたチェ・ナヨン。「スイングの感じもいいし、パッティングの調子もいい。緊張もなく、目の前の1打に集中していた」と涼しげに振り返った。
ホールアウト直後のインタビューでも、自分の状況は知らなかった。「キャディにリーダーズボードを見るなと言われた」というナヨン。この日は1番で1.5mにつけてバーディ発進。その後もショットでチャンスにつけ、また4~5mのバーディパットも沈めまくった。
「この試合は、韓国人にとっては特別なもの。14年目、朴セリが優勝したとき感じた気持ちは忘れていないし、今年また私がそれを引き継ぎたい」。こみ上げる感情を必死でこらえるナヨン。「自分のゲームには自信がある。良いチャンスだと思うけど、あまりプッシュはしたくない。今夜、そして明日やるべきことは分かっているので、あとはできるだけ楽しみたい」。米ツアー通算5勝で11年には賞金女王のタイトルも獲得しているナヨンだが、メジャータイトルはまだ手にしていない。一番欲しいタイトルを、一番欲しい場所で。残り18ホール、孤独な一人旅が待っている。