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久保谷健一が逆転で日本オープン初制覇!

◇国内男子◇日本オープンゴルフ選手権 最終日◇那覇ゴルフ倶楽部(沖縄)◇7,176ヤード(パー71)◇ギャラリー数 7,015人

沖縄で初開催となった第77回「日本オープンゴルフ選手権」最終日、初日から吹き続ける風は、最終日も変わらない。しかし、優勝争いはその強風以上に波乱の展開となった。

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終盤までトーナメントをリードしたのはフィリピンのジュビック・パグンサン。昨年のアジアンツアー賞金王は、周りがスコアを落とす中しぶといプレーでホールを重ねる。しかし、2打リードして迎えた17番(パー3)でティショットを池に入れ痛恨のダブルボギー。先に通算8オーバーでホールアウトしていた久保谷健一と並んでしまう。最終18番はティショットを右ラフに入れ、2打目はグリーン左のラフへ。アプローチを1.5mに寄せるもこのパットを外し、2位に終わった。

優勝した久保谷は40歳にして日本オープン初優勝、メジャー大会は02年の日本プロ以来の勝利となった。

久保谷健一「まさにミラクルです」>
歓喜の瞬間はパッティンググリーンで迎えた。3日目を終えて首位とは6打差。最終組の2つ前の組でプレーを終えた久保谷は「早く荷作りをして帰ろう」と、18番グリーンに背を向けて歩き出した。すると関係者から声がかかる。「パグンサンが17番で池に入れました。トップタイです」。慌ててプレーオフの準備を始めた。4日間72ホール、ずっとパッティングに悩まされていた。「バックスイングも上がらない状態。やっておかないと恥をかく」。クラブハウスの前で黙々とボールを転がす。パグンサンが2メートルのパーパットを外して優勝が決まった瞬間も、視線は地面の上、ボールにだけ注がれていた。

「本当に疲れた。実感が湧かない」。4日間で一番の風、この日はそれが時折突風になり、状況はさらに難を極めた。しかし久保谷は前半を2バーディ、2ボギーで折り返し。すると10番(パー5)では2オンを狙った一打がピンを直撃、2メートルを沈めてイーグルを奪った。12番(パー3)をボギーとした直後の13番ではカラーから8メートルのバーディパットが決まった。「初日から思うように打てなかった。今日も4回くらい、スタイルを変えていた。最後はやりようが無くなっていた」。ラウンド中にグリーン上でスタンスの広さを変え、握り方も変えた。それでも手が思い通りに動かない。優勝へのプレッシャーではない。日本一を決める戦いの中でも、ただただ、不振から抜け出すことを考えていた。

昨年の同大会ではプレーオフでベ・サンムン(韓国)に敗れたが、その1年後に見事ビッグタイトルを手にした。しかし久保谷は言う。「去年、悔しさは無かった。ベ・サンムンがものすごいゴルフをしていて、この男には勝てないと思った。またチャンスがあれば頑張ろう、とは思っていたけれど、それは今年ではないと思っていた」。昨年の「キヤノンオープン」で9年ぶりのツアー通算5勝目を挙げて迎えた今季。7月末から7試合連続で決勝ラウンド進出を逃していた(棄権1回)。しかし夏場を迎え、昨年に引き続き、長女の真帆ちゃんが「お父さんが優勝しますように」というメッセージを込めた自作の絵本をプレゼントしてくれた。それが奮起する要因の一つになったことは言うまでも無い。

“ボヤキの久保谷”。自分のショットに対する愚痴をこぼしながら、ラウンドを続けるベテランは、ツアー屈指の練習の虫。メジャーへの思いはもちろん強かった。しかし、「どの試合も頑張れたら嬉しい。もちろん、(大きな大会で)頑張りたいのはある。でも、私はそこに照準を合わせられるような選手じゃない。常に、どの試合も準備も、練習もしてどうにかしようと、人よりはやっているつもり」と言った。優勝スコア、8オーバーの過酷な戦いを制したのは、誰よりも「次の一打」に集中していた40歳。泥臭く日本一の座に上り詰めた。

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2012年 日本オープンゴルフ選手権競技



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