藤田が逆転で大会連覇!石川は単独3位でシーズン終了
◇国内男子◇ゴルフ日本シリーズJTカップ最終日◇東京よみうりカントリークラブ(東京)◇7,016ヤード(パー70)◇晴れ◇ギャラリー:16,478人
2011年の国内男子ツアー最終戦は、昨年優勝を果たした藤田寛之と2位に終わった谷口徹のプレーオフに突入した。この日のベストスコアとなる6アンダー「64」をマークした藤田は、その勢いのままプレーオフ2ホール目で谷口を振りきり大会2連覇を達成した。
通算7アンダーの単独3位は石川遼。最終日を通算5アンダー、谷口と並び首位タイでスタートした石川だが、4バーディ、2ボギーとスコアを伸ばしきれなかった。これで、今季の男子ツアーは終了し、石川は未勝利に終わった。
通算イーブンパーの11位タイで最終日を迎えたアマチュアの松山英樹は、11番でトリプルボギーをたたくなど、4ストローク落とし通算4オーバーの21位となった。
<藤田寛之が谷口徹とのプレーオフを制し最終戦で今季初勝利>
大会3日目が悪天候によるコースコンディション不良から中止になり、54ホール決戦となった今季最終戦。トーナメントを引っ張ったのは、石川遼と並んで5アンダーの首位タイからスタートした谷口徹だった。前半のうちに4バーディを奪って単独首位を快走。最終組から今季2勝目へ万全の体勢を整えたかに思われた。
しかし谷口を追って猛チャージをかけてきたのが、4アンダーの3位タイから最終ラウンドをスタートした藤田。最終組のひとつ前でプレーし、前半6番(パー5)でイーグルを奪ってスコアを2つ伸ばして折り返し。後半も納得のいかないショットが続きながらも、14番から2連続バーディ、そして17番(パー5)で13メートルを沈めてこの日2つ目のイーグルを決め、通算10アンダーで首位を走っていた谷口をついに捕らえた。
そして東京よみうりCCの名物ホール、18番(パー3)でドラマは生まれた。直前の17番でバーディを奪い、藤田に1打差をつけて最終ホールを迎えた谷口は、手前から80センチのパーパットを外してまさかの3パットボギー。勝負は土壇場でプレーオフに突入した。そして1ホール目は両者譲らず1オン2パットのパーで分けたものの、2ホール目のティショットで谷口がグリーンを左に大きく外し、ボギー。藤田は正規の18番(54ホール目)から3度同じように、ピン左に乗せて2パットパー。大会連覇で今季初勝利を勝ち取った。
昨年賞金ランクで2位に入った藤田は、今季海外メジャー4試合に出場しながらもすべて予選落ち。国内ツアーでも未勝利の状態が続いていた。しかしこの最終戦、最終日に白星が舞い込み「2イーグルは両方とも長いパットが入った。自分の力ではない、何かが働いている感じだった」と本人も驚きでいっぱいだった。
<敗れた谷口徹は最後の最後に…>
完璧なゴルフでトップを走っていた谷口が、“最後の”一打に泣いた。最終18番、決めれば今季2勝目、通算18勝目となるはずだったパーパット。上りのフックライン。「しっかりカップの右目に、強めにいけばいいと思ったが、最初で切れてしまった」。ボールはカップの左にけられ、逃げ切ることができなかった。昨年は最終日にコースレコードタイとなる「61」をたたき出し、藤田を追い詰めたが1打差でかわされた。そのリベンジはならず「結果的に入るか、入らないかだけ。そこまではいいプレー、完璧だったと思う」と肩を落とした。