久保谷健一が伝説のトム・ワトソンと並ぶ2位タイ発進
スコットランドにあるターンベリーGCで開催されている「全英オープン」の初日、時計の針を巻き戻すかのような活躍を見せたのは、同大会を5度制している59歳のベテラン、トム・ワトソンだった。
好天に恵まれ、ほぼ無風のリンクスコースを、「練習ラウンドの続きのようだった」と5バーディノーボギーの危なげないゴルフで回ったワトソン。1977年にジャック・ニクラスとの「真昼の決闘」と呼ばれた死闘を制した思い出のターンベリーで、首位と1打差の2位発進。「誰かが、世界には160のリンクスコースがあって、そのうち159個がここにあると言っていた。それに、プロ達は全英と全英シニアでしかリンクスコースをプレーしない。私たちは長年こういう状況でプレーしてきた分、アドバンテージがある」と、リンクスでは経験がものを言うことを自らのプレーで証明した。
さらに、上がり4ホールで5つスコアを伸ばして一気に2位タイに浮上したのは、15時59分スタートの久保谷健一。出だしは4番、5番で連続ボギーを叩いたが、その後はバーディを量産。17番パー5では、残り240ヤードを5Wで狙うと、「大きいスライスを打とうとしたらフックしたけど、バンカーの縁に当たって寄ってくれた」と2mにつけてイーグル奪取。「今年一番酷いかもしれない」というショットながら、「流れだけでなんとかなった」と最終ホールもバーディで締め括った。
彼らを抑えて、通算6アンダーで単独首位に立つのは、今大会17度目の出場となるスペインのM.A.ヒメネス。この日ティショットでフェアウェイを外したのが僅かに2回というヒメネスは、最終18番で20mのバーディパットを沈めて頭一つ抜け出した。
今大会初出場の石川遼は、通算2アンダーの21位タイと好スタート。同組で回ったタイガー・ウッズは通算1オーバーの68位タイとやや出遅れたが、上位との差はそれ程は開いていない。