さくら、自らの成長を実感した逆転勝利
国内女子ツアー「スタジオアリス女子オープン」最終日を、首位と3打差の8位タイで迎えた横峯さくら。スタート前、「キャディのジョンと、今日の目標は4アンダーだね、と話していた」という横峯は、スタートホールの1番パー4で3メートル、続く2番パー5でもバーディを奪う絶好のスタート。6番ボギーの直後の7番パー3でも3メートルを沈めてバーディ、さらに15番、17番とバーディを重ね、通算4アンダーでホールアウトする。
すると、通算5アンダーの単独首位で最終18番を迎えた全美貞がボギーフィニッシュとし、土壇場でプレーオフの権利を手に。「ダメだろうな、と思って帰る準備をしていたのでビックリしました」と、優勝のチャンスが転がり込んでくる。過去、横峯のツアーでのプレーオフ戦績は2勝6敗だが、2005年の「ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン」で全と対戦した時は横峯が勝利。その再現を叶えるべく、迎えた18番の繰り返しで行われたプレーオフ。1ホール目は共にパーで分けるも、2ホール目でパーパットを外した全に対し、50センチのパーパットを確実に沈め、早々と今季初勝利を達成。節目となるツアー通算10勝目を飾った。
ウィニングパットを沈めた瞬間、何度も右手を突き上げて珍しく感情を露にした。「50センチが入った喜びですね。緊張するかな? と思ったけど、手が動いてくれて良かったです」。今シーズン開幕前から、賞金女王を目標に掲げてきた横峯。「去年も賞金女王を争いましたが、技術的にも精神的にもまだまだと感じました。今年はいけるかな、という自信もつきましたし、言葉に出すことによってプラスにつながると思っています」と、自身の内面で明らかに変化が芽生えつつある。
技術的にも、オフのトレーニングでショートゲームに自信を植え付けた。「特にパットですが、(ウィニングパットの)50センチのパーパットも、もしかしたら去年の自分だったら外していたかもしれません」。昨年までの経験を活かし、スキル、メンタルの両面で自己変革を試み、「成長した部分が見られて嬉しかった」と、早々に成果が表れての勝利。今シーズンの横峯は、これまでとは一味違う別の強さを感じさせる。