さくら、イエローカードの運用に苦慮
国内女子ツアー第22戦「CAT Ladies」の2日目、通算1オーバーの40位タイで初日を終えた横峯さくらは、この日は10番スタートの第1組。8時ちょうどにタミー・ダーディン(オーストラリア)、ヤオ・シュエイー(台湾)とともにティオフした。
12番(パー3)でティショットをグリーン奥にこぼし、アプローチはピンを3mオーバーしてボギー先行。直後の13番(パー5)で1.5mを沈めて取り返したが、16番でボギーを叩き前半は1つスコアを落として折り返す。予選落ちもちらつく位置だったが、後半は2バーディ1ボギーで盛り返して、結局この日「73」、通算1オーバーの40位タイで無事予選通過を決めた。
「(手応えは)すごく悪いです」という横峯だが、この日のストレスはプレー以前の問題に向けられていた。「前半から結構走らされて自分のリズムもつかめなかったし、後半もずっと競技委員がついていたので、ゴルフをやっているのかなという感じはありました」と、珍しく鼻息も荒い。
10番からスタートし、13番終了時点で規定のペースから7分遅れているということで注意を受け、16番ティでイエローカードの提示を受けた。もちろん、LPGA側もパー5が3つありインターバルも長いインコースは2時間3分、アウトコースは1時間59分と差をつけて目安を設けていたが、「ちょっとひどいというか、改善してもらわないと困ります。プロゴルファーなのに、違う方面でストレスを抱えてしまう。たとえ走ってもハーフ1時間59分じゃ回れない(実際はインコースの設定は2時間3分だったが)」と、自身のプレーをする十分な時間的余裕を与えられなかったことに不満を募らせていた。
競技委員は、警告が入ったあとも基本的には自分に与えられた1打30秒という範囲でプレーをしていればペナルティを課すことはなく、走ることは強制していないと説明する。ただし、急いで前組に追いつけば、ペースは改善したとみなされて計測対象から外される。
両者の論点は若干ずれているが、横峯にとってはプロゴルファーとしてファンの期待に応えるベストなプレーをするのに、正当な時間を確保してほしいという主張だろう。ツアーにとって大事なのは、決められた時間内にプレーすることか、ファンを沸かせる素晴らしいプレーを見せることなのか。イエローカードの運用について、選手の立場から改善を訴えたと言えるだろう。(神奈川県足柄下郡/今岡涼太)