遼、国内ツアー復帰戦「良いスタートを」
来年度の米国男子ツアーのシード権獲得を狙い、今季前半戦のほとんどを海外での転戦生活に充てた石川遼。2度の5連戦を含む計18試合に出場し、獲得賞金額を87万ドルに乗せ、その最大のミッション達成を確定的なものとした。そして今週、石川は約1か月半ぶりに国内男子ツアーの舞台に復帰。23日(木)に福岡県の芥屋ゴルフ倶楽部で開幕する「第40回VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」を戦う。
前週の米ツアーのレギュラーシーズン最終戦「ウィンダム選手権」で今季の米国でのプレーに一区切りをつけ19日(日)に帰国。21日(火)からコースで練習を開始し、開幕前日の22日(水)にはプロアマ戦に出場した。
今大会を迎えるにあたり、石川は新たに9本のパターをテストしている。ヘッド形状は今季前半戦に多く見られたピン型に加え、クラブヘッドをストレートに動かすことを目的に、マレット型を再び導入した。また、グリップエンドの延長線上にある支点のイメージを、みぞおちまで引き上げたことで、シャフトが立つアップライト気味な構えに。そのため、シャフト長は、これまで愛用していた35インチから、33インチ、32インチといった短いものを用意した。
男子ツアーが行われる年間25試合の会場のうち、この芥屋ゴルフ倶楽部だけは高麗グリーン。それだけに「思い切ってこの試合で、素材やロフトの違うパターを使うものもアリだなと、今年の初めから思っていた」と、この一戦を重要なテストの場としても位置づけていた。そのため「また来週はまったく違うグリーンになるので、また考えたい」と試行錯誤を続けていく考え。「この5年間、ショットだけで精一杯だった。これからは5年くらいかけてもパットを作っていくくらいの辛抱も必要だと思っている」。
連戦、長距離移動が重なったが「これからはほとんど知っているコース。日本でできるのは、体は楽です」と体調面での不安は無い。現在の体重はシーズン当初から2キロ増の74キロ。「今は食欲もあるし、ベストに近い。スイングもコンパクトになった」と言う。
同大会は優勝こそ無いものの、2009年大会から3位、6位、2位と抜群の相性の良さを持つトーナメントのひとつ。「木曜日に良いスタートを切りたいというのは世界中どのコースでも同じ」。残りシーズンでの最大の目標は、来年度のマスターズ出場権獲得。そのために年末の世界ランク50位以内の確保を目指す。現在同71位の石川にとっては、国内ツアーで2シーズンぶりの優勝が果たせるかが、もちろん大きなポイントになる。(福岡県糸島市/桂川洋一)