遼、メジャー今季最終戦「逃げずに、攻める」
2012年の海外メジャーもいよいよ最終戦。「全米プロゴルフ選手権」は9日(木)、米サウスカロライナ州キアワアイランドリゾートで開幕。今季2度目の米ツアー5連戦を戦っている石川遼は2009年から4年連続の大会出場を果たす。
前週オハイオ州で行われた「WGCブリヂストンインビテーショナル」で4日間プレーした石川は、最終日翌日の6日(月)にコース入り。7日(火)にアウトコースで練習ラウンドを行い、開幕前日の8日(水)にはイン9ホールを2周して最終チェックを行った。
雷や暴風雨によって、各選手が思うように事前練習ができなかったものの、今大会の石川は自身のコンディションを整えることを優先。「初めてのコースで、メジャーだからたくさん回りたい気持ちはあるけれど、試合が続いていて木曜日(初日)にベストな状態に持っていくことを考えると、この調整方法が良かった。良い体調で臨まないと意味が無い」。ここまで英国、カナダ、そして米国と長距離移動を含む遠征が続いていることもあり、これまでとは違う、“省エネ気味”の調整で開幕を迎える。
今大会コースの総距離はメジャー史上最長の7676ヤード。大西洋を南にして、東西に長く連なる18ホールは、毎年の全英オープンすら思い起こさせるようなシーサイドコース。海風が強いのはもちろん、大胆なレイアウトはティグラウンドからの景色で選手たちの警戒心を余計にあおる。
ポイントとなりそうなのはインコース。「単純にインのほうが難しい。ティショットの狙いどころが狭い」。アウトコースに比べてクリークや池が絡むホールが多く、トラブルにつながる可能性はより高い。それでも「攻めて行かないと難しくなるコース。チャンスをしっかり獲っていけるように、逃げていてはダメ」とキッパリ。傾斜のある砲台グリーン、その周辺からのショートゲームはどこからもリスクがつきまとう。また、潮風や熱に耐性のあるリンクスの芝は、雨水を含み、ボールをグリーンでいっそう止めるようになった。それだけにスコアが伸びる可能性もあり、出遅れは禁物だ。
「自分の力量に合った攻め方で攻めていく。(グリーンを狙うショットが)7番アイアン以下になったときが勝負。ピンをデッドに狙っていく。7番以下で逃げてはいけない」と、無謀ではなく、状況に応じたメリハリのついたプレーを心がける石川。昨年の「全英オープン」から、メジャーでは5戦連続で予選落ちを喫しているが、結果を恐れずに最後までアグレッシブな姿勢で、壁を越えていく。(米サウスカロライナ州チャールストン/桂川洋一)