石川遼、失意の上がり5連続ボギー
“まさか”という印象を抱いたのは、見ている我々だけではなく、他ならぬ選手本人だったのかもしれない。「全英オープン」初日、トム・ワトソン、マーティン・カイマー(ドイツ)と共にスタートした石川遼の結末は、メジャーの怖さを物語っていた。
序盤、3番でボギーを先行させた石川だが、続く4番で10mのバーディパットを沈めてガッツポーズ。すぐにイーブンパーへとスコアを戻す。6番で2打目を左ガードバンカーに落としてボギーとしたが、9番(パー3)で3mのバーディパットを沈め、続く10番でも10mのバーディパットを読みきって連続バーディ。通算1アンダーへとスコアを伸ばした。
しかし、ロイヤルリザムの終盤は気の抜けない6つのパー4が続いている。その入口、13番はティショットがバンカーに捕まりながらもパーで切り抜けた石川だったが、続く14番では3Wを左ラフに曲げてボギー。続く15番は右ラフに捕まりボギー。続く16番は4オン1パットのボギー。結局上がり5ホール連続ボギーで、通算4オーバーまでスコアを落とし、石川は115位タイで初日を終えた。
「前半のショットでギリギリで、危ないとは思っていけど、後半はティショットがバンカーに入ったり、ブッシュに入ったりしてボギーとしてしまった。でも、やるべきことは分かっているので、明日は大丈夫だと思います」。
怒気を含んだ言葉は、石川の感情を隠しきれない。突然、連続ボギーをたたいたことは「(前半から)紙一重だった」というが、メジャーのプレッシャーに負けたかと言えば「出だしから悪かったわけではない」と、否定する。ホールアウト直後に冷静な判断に基づいた真相を聞き出すのは、困難と言わざるを得なかった。
それでも4オーバーはまだ決して悲観する成績ではない。すぐに練習場へ向かい、一度はドライバーを抜いたものの、思い直したようにウェッジからアイアンへと段階を踏んでスイング調整を始めた石川。条件は決して有利とは言えないが、午後スタートの明日に巻き返しを期す。(英国リザムセントアンズ/今岡涼太)