2012年 全米オープン

遼、気持ちを高め大舞台へ「今までの全米オープンとは違う」

2012/06/14 12:33
最後の練習ラウンドは日本勢4人でプレー。深まりつつある自信とともに3度目の大舞台を迎える

海外メジャー第2戦「全米オープン」開幕前日の13日(水)、石川遼は18ホールの練習ラウンドをこなし、3年連続3回目の出場となる大舞台に向けて最後の調整を行った。

イーブンパーを優勝ラインに見据えて仕立て上げられる全米オープンのセッティング。今年もその例に違わず、舞台のオリンピッククラブは世界屈指の難コースとして選手たちを迎え入れる。その中に足を踏み入れる石川はしかし、心に1本の動かざる柱を備えていた。週を追うごとに深めているショットへの自信だ。

「スイングで言えば、今までで一番良い状態。自分の中に、自信を持てる基盤となるものができてきた」。ミスが出ても「原因は分かっているので、1回でパッと直せる」。これまで頻繁に重ねてきたスイング改造も、ここ数ヶ月は行わず同じスイングを継続。その分、体との馴染みも深まり「ミスが出ても原因が分かっているので、1回で修正できる」と続ける。ショットに考えを巡らせることなく、あとはショートゲームだけに集中できることは大きな強み。凌ぎ合う展開が予想される「全米オープン」だからこそ、よりプラスに活きてくる。その感覚は、9位タイで終えた2週間前の「ザ・メモリアルトーナメント」で確信。「難しいセッティングの中で良いプレーができて自信になった。今までの全米オープンとは違うと思う」。

目標スコアは「特に設定しません」と即答する石川。スコアの上限を定めることなく、むしろ「(設定を)決めてはいけないと思う」と言い切った。その一因は、昨年大会を制したロリー・マキロイの通算16アンダーという優勝スコアだ。

「パープレーに抑えるのが全米オープンという先入観があったけど、去年のロリーのスコアに圧倒された。“いけるところまでいきたい”と思えるようになりました」。世界屈指の難コースにも臆することなく、好調を続けるショットへの自信とともに、自らも「全米オープン」の既成概念を打ち破ってみせる。(カリフォルニア州サンフランシスコ/塚田達也)

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