遼、風に惑わされるも22位タイへ浮上
「つるやオープン」3日目、カットライン上で予選通過を果たした石川遼は、この日はインの10番からのスタート。335ヤードと距離が短く、グリーン右手前に池が口を開けるスターティングホールで、同組の選手がアイアンやユーティリティで池の手前に刻むのを横目で見ながら、石川はキャディバッグからドライバーを引き抜いた。
第1打で見事に狭いフェアウェイを捉えると、続く第2打はピンそば1.5mにつけてバーディ発進。集まった多くのギャラリーに石川の目指すゴルフを見せつける。その後も「一番安心して打てた」という好調なドライバーを武器に、合計7つのバーディを積み重ねた。
その一方でボギーは3つを献上した。「一日中、びっくりするくらい風が回っていて、信じられなかった」と目を丸くした石川だが、風だけを言い訳にはしていない。「風はどうであれ、ここからボギーを打つことはないだろうっていうところからのボギーが3つあったので、そこは反省点ですね」。
13番、18番はフェアウェイからグリーンを捉えきれず、9番は左ラフとはいえ「問題ないところ。ボギーを打つイメージはあまりなかった」はずが、同じくグリーンを右に外してボギーとした。「万が一、風を読み間違ったときに、3つとも打ってはいけないところに打ってミスしてしまった。(アプローチの)SWはいい仕事をしてくれたと思うけど、それだけ(寄らない)難しいところに外してしまったアイアンの責任というのが重くなってきます」。外していけないところと良いところ。そのメリハリは米ツアーを戦う上で嫌というほど身に染みている。今は日本ツアーを戦っている石川だが、心の中ではコースの攻略ポイントを狭めて、難易度を上げて戦いを挑んでいるといえるだろう。
通算5アンダーとした石川は、トップのハン・リーを9打差で追いかける。「前半を終えて2桁アンダーになっていないと、優勝のチャンスはゼロだと思います」。最終日、石川は困難な課題を楽しむかのように、自らに高い目標を設定した。(兵庫県川西市/今岡涼太)