2012年 マスターズ

遼、自己最悪のスタート「ベストを尽くす」

2012/04/06 10:14
満を持して迎えた“20歳のマスターズ”初日、4オーバーの73位タイと出遅れた石川遼(Jamie Squire/Getty Images)

今季の海外メジャー初戦「マスターズ」が5日(木)、ジョージア州オーガスタナショナルGCで開幕。石川遼が初日に大きく出遅れた。3バーディ、5ボギー、1ダブルボギーの4オーバー「76」。初日73位は4度の出場でワーストとなり、予選通過に向け巻き返しが必要な状況に追い込まれた。

過去3度の出場を10代で戦い、20歳で迎えた4度目の夢舞台。「かなり緊張があった」という石川の初日は出だしから痛恨のプレーが続いた。ドライバーでのティショットを左に曲げた1番、3パットをたたいた2番と、いきなり2連続ボギー発進。波に乗りたい序盤から早々に挽回を求められた。

5番で8メートルを沈めて最初のバーディとするものの、8番(パー5)で2メートルのバーディパットを外すと、続く9番ではフェアウェイからの第2打をグリーン左に外して難解なアプローチを残しボギーとし、2オーバーでハーフターン。

そして後半12番(パー3)では、「当たりそこねだった」というティショットがグリーンにわずかに届かず、手前の傾斜を滑り落ちて通称“レイズ・クリーク”に飲み込まれた。打ち直しの第3打も寄らずダブルボギー。直後に2連続バーディを決めたが、スコアを伸ばしたい15番(パー5)ではこの日2度目の3パットボギーをたたいた。

最終18番もティショットを右に曲げたのをきっかけにボギーフィニッシュ。ラウンド終盤にオーガスタ上空に立ち込めた雨雲のように表情は重たい。「アイアンでもう少し良い回転の球が打てればよかった」とショットに悩んだ一日を振り返って言う。年明けから延べ3か月間の米国遠征を経て、自らのレベルアップを肌で感じていたが「良い準備はできていても、始まって見なければ分からない」と無念の言葉を搾り出した。

決勝ラウンド進出は第2ラウンドを終えて44位タイまでか、トップと10打差以内に入ることが条件。しかしオーガスタでの過去8ラウンドで石川は60台をマークしたことが無い。それでも「やってみないと分からない。予選を通過したいが、今日のプレーをやり直すことはできない。明日は明日のベストを尽くします」と必死に顔を上げる。いきなり迎えた窮地での底力。2日目は石川自身が追求し続けて来た真価が問われるラウンドとなる。(ジョージア州オーガスタ/桂川洋一)

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