遼、38位タイ発進、1イーグルに大きな意味
米国男子ツアー「アーノルド・パーマーインビテーショナル」は22日(木)、フロリダ州のベイヒルクラブ&ロッジで開幕。石川遼は出入りの激しい展開ながら、「73」でまわり、1オーバーの38位タイでスタートした。
コース全体に朝露の残る午前8時過ぎにインコースからスタートした石川は、なかなかエンジンのかからない状態で序盤をプレーした。2ホール目の11番、第2打がグリーン右手前のバンカーの斜面に突き刺さりボギーが先行する。さらに15番ではまたもバンカーからのリカバリーが冴えず、早くも2オーバーに後退しまった。
16番(パー5)で、フェアウェイから2オンに成功し、右から7メートルを沈めてイーグルを奪取。さらに続く17番でも左奥からロングパットでバーディと大きな見せ場を作ったが、後半開始の1番、ドライバーでのティショットは左へ大きく引っ掛け、痛恨のロストボール。このホールをダブルボギーとすると、さらに2番でもボギー。4番(パー5)で、3オン1パットで確実にバーディを拾ったが、スコア、順位の面から見れば好発進とはいえなかった。
結果的には初日オーバーパー。しかし石川は「内容は良かった。先週(トランジションズ選手権)よりも手応えがある」と好感触を噛み締めた。その要因は16番のイーグル。ドライバーでのティショットでフェアウェイをとらえ、続くアイアンショットは左からの風に対し、残り217ヤードを4番アイアンで力強いボールを放った。「特にこういうコースのイーグルは、どこからでも取れるわけではない。ティショット、セカンド、両方がピンポイントで打てたときの“ご褒美”のようなもの。アメリカのこういう(難しい)コースやメジャーでは、ほぼ100%に近いショットを続けないとできない。それをクリアできたのはうれしかった」。そして「去年までだったら絶対に打てなかった」と続けた。
米国有数コースとして知られるベイヒルでの大会も、今年で4回目の出場。レイアウトのダイナミックさと、グリーン周りの緻密さが融合する同コースを「アメリカの象徴のようなコース」だと言う。中学生時代に初めてプレーした時の衝撃は今でも忘れない。「あの時は、18番ホールでティショットもセカンドもドライバーだった」。小学生のとき、得意クラブをサンドウェッジとしていた石川のゴルフを大きく変えた、きっかけの地でもある。
その中で「戦えている感じがあります。遠慮せずにやれている」と20歳になって自分の成長を客観的に見つめた。このラウンド後の練習中にはタイガー・ウッズと談笑。そんなシーンも珍しくなくなってきた。「明日もアグレッシブにいく。予選突破ではなく、上を目指してやっていきたい」。過去3度の出場では予選落ちが2回と苦しんでいるが、カットラインを恐れることなくプレーする。(フロリダ州オーランド/桂川洋一)