2012年 プエルトリコオープン

遼、不満の初日 2アンダーも終盤に光明

2012/03/09 08:32
最終18番の第2打では”直ドラ”で勝負。グリーン手前に外したが、初日からボルテージを上げてきた

米国男子ツアー「プエルトリコオープン」は8日(木)、プエルトリコ北西部のトランプインターナショナルGCで開幕。今大会初出場の石川遼は初日3バーディ、1ボギーの「70」。ショット、パットともに前半は精彩を欠いて苦しみ不満を残す内容となったが、2アンダーの21位タイでスタートを切った。

出だしの2番(パー5)を2オン2パットでバーディを先行させた石川は、その後パーオンを繰り返しながらも、なかなかチャンスを活かせない展開が続いた。強風が吹きつけるグリーン上で迷いが生まれ、5番(パー5)では1メートル以内のバーディパットがカップの左に蹴られるミス。7番では第1打を左に曲げたのをきっかけに、第2打も左のバンカーに入れてボギーとした。

それでも後半はフェアウェイからの第2打をピンそば80センチにつけた13番、3.5メートルを沈めた15番(パー5)でバーディを奪取。「全体的にちょっと違うな・・・という感じだったが、やっと14、15番あたりから終わるころに良くなってきた」。最終18番(パー5)では、第2打で左足上がりのフェアウェイからドライバーを強振。グリーンはとらえられず、結局3オン2パットのパーでフィニッシュしたが「最終的には“イケイケ”の感じだった」と終盤の出来に及第点。「終わるころに良くなってくるのは、体力的にも精神的にも(スタミナが)ついてきたのかなとも思う」と話した。

今週は米フロリダ州ドラールで「WGCキャデラック選手権」が開催。世界ランキング上位をはじめとした各ツアーの選手たちが一堂に集い、ビッグタイトルを争っている。その同週に行われる、いわゆる“裏開催”の今大会。普段華やかな舞台でプレーを続けている選手にとってはモチベーションの保ち方も、戦いのキーポイントのひとつ。だが石川はあくまで「『どうして俺がこんなところで・・・』と思っていたら、やりづらい。『こんなところにいるはずが無かったのに』と思っていたら気合が入らなかったはず」と謙虚な姿勢で戦うことを強調する。

今週初めに特別招待による「マスターズ」の出場が確定。この初日はその吉報を受けてから、最初のラウンドだった。それでも、石川の心境に大きな変化は無い。本来はマスターズ出場権が付与される3月26日時点での世界ランク50位以内を目指して奮闘を続けているはずだった。それだけに「タイミングがタイミングだっただけに、実感が湧かない」というのが本音の大半を占めている。行動をともにするサポートチーム内の姿勢や日常もこれまでの遠征中と変わりないという。だからこそ、あくまで今週からの3連戦の目標も3月末の世界ランクトップ50入り。「そうでないと、実感が湧いてこないと思う」ときっぱりと言う。

そのためにも、世界ランク上位選手が不在の今大会では是が非でも優勝争いに加わりたいところ。トップとは4打差。「今日は今日、これはこれで、明日は新しい気持ちでアグレッシブに行きたい」と強い信念を持って頂上を目指す。(プエルトリコ・リオグランデ/桂川洋一)

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