2012年 ファーマーズ・インシュランスオープン

遼、後半4バーディで挽回 20位で折り返し

2012/01/28 11:00
2日目の石川遼は後半にかかるにつれ、ドライバーショットの安定感が増していった

カリフォルニア州トーレパインズGCで開催中の米国男子ツアー第4戦「ファーマーズ・インシュランスオープン」2日目。3アンダーの37位タイから出た石川遼は2日連続「69」で回り通算6アンダーの20位タイで決勝ラウンドに進出した。

全選手が2日間で異なる18ホールをプレーする予選ラウンド。初日に難攻不落のサウスコースで3アンダーをマークした石川はこの日、ビッグスコアが期待できるノースコースでティオフ。しかし前半はまさかの伸び悩みを見せた。

2メートルのバーディチャンスを活かせなかった出だしの1番から、ショットとパットがかみ合わない。ショートゲームも冴えず、4番でピン左約10メートルから痛恨の3パットでボギーを先行させた。その後もチャンスを作れずパーが並ぶ。「昨日と同じスイングができない」と苦悩しながら、このまま前半はひとつスコアを落としてしまった。

通算2アンダーはこの時点で予選通過のボーダーライン上。「冷や冷やな感じでした」と焦りにも襲われる。ところが「8番くらいからドライバーにキレが出てきた。“振りきり”が悪かったので『目がまわってもいい』というくらい振っていこうと思った」と体幹の鋭い回転を意識して、勇んで迎えた後半イン。10番のティショットでフェアウェイ真ん中をとらえると、残り129ヤードの第2打をピッチングウェッジでピンに絡めて“OKバーディ”を奪う。

さらに14番(パー5)では、4番アイアンで奥のカラーまで運ぶセカンドショットを披露。「きょうのベストショット」という一打でバーディを奪うと、15番では手前から4メートル、16番では左から3メートルを沈めて3連続バーディで再浮上。この日の両コースの平均スコアは、サウスが72.859に対してこのノースは69.859と、初日に続いて約3ストローク“易しく”、前日と同スコアには少なからず不満もあるが、上位進出に可能性を残した位置でトーナメントを折り返した。

2週前の自身の今季初戦「ソニーオープンinハワイ」では予選落ち。昨年末からの“試合勘”を維持するため、トーナメントに出場しないオフの期間を3週間と短くして臨んだ。「お正月休みも“そこそこ”にした、初めての試みだった。だから悔しさは相当ありました」と言う。だからこそ、今季初の決勝ラウンド進出には「やっと仕事をさせてもらえる」と胸をなでおろしたのも内心正直なところだ。

決勝2日間は再び“難敵”のサウスコースが相手。初日は我慢を続けて好スコアをマークした。しかし「(昨年の)マスターズでも20位前後(20位タイ)で予選を通過してから、土曜日に順位を上げられなかった。僕らの順位にいる選手は、上しか見ていないと思う。だからイチかバチかというところがあると思うので、僕もそういったプレーをしたい。常にカップを見るような」と力を入れ直す。「予選ラウンドとはちょっと違う戦い方をイメージしています」。現状維持では満足しない。週末は恐れ知らずのプレーを米国ギャラリーの目に焼き付ける。(カリフォルニア州サンディエゴ/桂川洋一)

2012年 ファーマーズ・インシュランスオープン