遼、58位で今季最終戦を終了 マスターズ出場権獲得は来年に持ち越しか
タイ・バンコク郊外のアマタスプリングCCで開催された「タイランドゴルフ選手権」。8オーバーの67位タイから最終ラウンドを開始した石川遼は1バーディ、2ボギーの「73」でまわり通算9オーバーの58位タイで、自身の2011年最終戦を終えた。
石川のアジアンツアー初挑戦は苦い結果に終わった。最終組よりも4時間も早い下位からのスタートとなった最終日。2メートル以内のパッティングが安定し、パーオンを逃したホールのピンチもしのぎ続けたが、ティショットとそれ以降のショットがかみ合わず、なかなかチャンスを作れない。前半2つのパー5である2番、7番でいずれも第1打でフェアウェイをとらえられず3オン2パット。結局後半10番までスコアカードどおりの数字が並んだ。
そして11番(パー5)では第2打をグリーン左手前のバンカーに打ち込み、これが続く第3打で出ずに結局4オン。3メートルを外して、ついにボギーが先行。さらに14番では、手前からのアプローチが寄らず、2つ目のボギーをたたいた。浮島グリーンの17番(パー3)でティショットをピン右2メートルにつけて歓声を呼んだが、これが結局この日唯一のバーディ。4日間を通じ「ミスがそのままスコアを落とす結果に繋がった。グリーン周りが難しいがゆえに、簡単にボギーやダブルボギーに繋がった」と、2日目以降は毎日オーバーパーとなり、低迷した。
4日間を通じドライバーやロングアイアンでのショットには手応えを感じ「すごく気持ちよくプレーできた。収穫の多かった内容」と話した。しかしアジアンツアーによれば、今大会で上位に食い込めなかったことで、来年の「マスターズ」出場権を年内中に確定させることは難しい見通しに。今年度末、2011年第52週の世界ランキングで50位以内に入っている選手に対し、マスターズをはじめとしたビッグトーナメントの出場資格が付与されるが、石川はこの最終週のランキングで51位以下に後退する可能性が高まった。その場合ももちろん、出場が絶望となったわけではなく、来年3月末時点でのランキングで50位以内に入れば、晴れて4年連続で夢舞台に立つことができるが、そのための戦いが年始早々からスタートすることになる。
「ずっと年内の50位以内が微妙な位置にいると把握しながらプレーはしていました。だから(年内に出場権を)取れなくてもショックは受けていない。来年、出場できる試合の中で、ぜひ目指して行きたい」。来年は1月の「ソニーオープン」から米ツアーにスポット参戦を続けていく。
プロ4年目のシーズンを戦い終えたが「区切ろうとは思わない。これからも毎日、追及して、いつの間にか2012年になっていたという感じでやりたい」と石川。この最終日もラウンド後にひとり、練習場に居残り、打ち込み。「いまようやくボールが(クラブ)フェースに“くっつくような”感覚で打てている。すごく良い感じ。だから1日、2日、休んでいたらもったいない」と来年ではなく、明日を見据えていた。(タイ・バンコク/桂川洋一)