遼、「77」で後退。ギリギリで予選通過
タイ・バンコク郊外のアマタスプリングCCで行われているアジアンツアーの今季最終戦「タイランドゴルフ選手権」2日目。2アンダーの16位タイから出た石川遼は3バーディ、6ボギー、1ダブルボギーの「77」と崩れ、通算3オーバーの64位タイで決勝ラウンドに進んだ。
インスタートとなったこの日、石川は最高の滑り出しを見せた。出だしの10番ではフェアウェイからの第2打をピンそば2メートルにつけ、11番(パー5)ではバンカーからの第3打をきっちり寄せて2連続バーディで発進。初日につかんだ良いリズムをキープし、ビッグスコアも期待されるような展開を予感させた。
ところが12、13番でなんとか1パットパーを拾うと、14番では右のラフを渡り歩き、ボギーとする。そして16番ではティショットを左に大きく曲げ、ブッシュからの脱出に2打を要し、4オン2パットのダブルボギーで後退した。
さらに後半に入るとショットの乱れが際立った。「インパクトの前に回転が止まって、体が伸び上がってしまう」というスイングの悪癖。2番ではドライバーでのティショットを左の池に入れてボギー。ラフからの第2打をバンカーに入れた4番からは2連続ボギーをたたいた。6番で手前から7メートルを沈めてバーディを取り返すが、続く7番(パー5)ではバンカーからの第4打がピンを2メートルオーバーしてボギー。最終9番でもティショットを左に曲げ、ボギーフィニッシュとなってしまった。
ホールアウト時点では65位タイ以上の決勝進出ラインの圏外にいたが、後続スタートの選手がスコアを落とし、結局ギリギリで予選を通過。胸をなでおろす思いで「(結果よりも)内容を優先させてやってきた自分にとっては、このラウンドは悪くない」と評価したが、「曲がるとすぐにペナルティが与えられる」と、リカバリーが困難なコースを相手にして、スコアメークに苦しんだ。
2日間同組でラウンドしたリー・ウェストウッドは石川について「技術的にはやはり良いものがある。誰しも悪い週はある」と話し「ただ、彼はたくさんプレーしすぎなのかも。僕の経験から言えば、ゴルフから離れることも大事だし、それによって力が湧いてきたり、楽しむこともできるからね」と“助言”。ただ、石川は「毎年コンスタントに(世界ランク)50位以内を確保できるようになったら、試合を減らすことも考えたいが、まだ彼らと同じレベルとは考えられない。練習も経験も達していない」と貪欲にクラブを振り続けることを選んだ。
残り2日間のプレー権を手にした石川は年末の世界ランク50位以内をキープするためにも、今大会で20位以内という目標を掲げた。「今は残り2日間で、初日の順位まで戻すことだけを考える」。最後尾からスタートする決勝ラウンドで、猛チャージはなるか。(タイ・バンコク/桂川洋一)
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