遼、2アンダー発進「今シーズンで一番の内容」
アジアンツアーの今季最終戦「タイランドゴルフ選手権」が15日(木)、タイ・バンコク郊外のアマタスプリングCCで開幕。同ツアーに初出場した石川遼は5バーディ、1ボギー、1ダブルボギーの「70」で回り2アンダーの16位タイでスタートした。
前半3番でピン奥から4メートルを沈めてバーディを先行させた石川は、続く4番でも同じく奥からのパットを決めて2連続バーディと、上々の滑り出しを見せた。さらに6番ではフェアウェイからの第2打をピンそば10センチにつけるスーパーショット。7番(パー5)では第2打で確実に花道まで運び、またしても2連続バーディを奪う。世界ランクトップに立った経験を持つリー・ウェストウッド(イングランド)、そして地元タイの英雄トンチャイ・ジェイディとの同組ラウンドは、大勢のギャラリーに見守られながら、それぞれがスコアを伸ばす展開が繰り広げられた。
折り返しの9番でティショットを左の池に入れダブルボギーで後退するものの、後半11番(パー5)ではグリーン奥からの第2打を確実に寄せてバーディを取り返す。その後はスコアを伸ばせず、17番(パー3)ではティショットを浮島グリーンの右にこぼしてしまい、この日2度目の“池ポチャ”でボギーをたたくが、16位タイとまずまずの位置でホールアウトした。
キーポイントに挙げていた初日にアンダーパー発進。しかしその数字以上に手応えがある。「ミスが少ない珍しいラウンド。ほとんどすべてのクラブで同じスイングで打てた。アプローチ、パットを除けば40回くらいスイングする中で、35、36回は同じだった」と表現する。ドライバーからショートゲームまで、スイングの一貫性を求めてきた石川。「こういうラウンドを求めて練習をしてきた。ちょっと“先”が見えたラウンドだった」。そして「今シーズンで一番良い内容だったかもしれない」と胸を張った。
同組のウェストウッドはこの日、アジアンツアーの最少ストロークに並ぶ「60」をマークして単独首位で発進した。自身の2つの池ポチャのスイングを「池があることで、そこに負けてしまっている自分がいる。(ジェイディも含めた)2人は池が無いかのように打っていた」と反省する一方で「似たり寄ったりのプレーもできた。3人が同じ力で引っ張り合っていたような感じだった」と、2人のスターに気後れすることも、引っ張られることも無く、内容では“互角”の勝負ができたと自負した。
2011年の自身の最終戦に選んだ舞台。「今日のように自分がやるべきことをできれば問題ないと思う」。つかみかけた自信を、残り3日間でさらに大きなものとしたい。(タイ・バンコク/桂川洋一)