遼、15位で最終日へ「アグレッシブに行く」
高知県のKochi黒潮カントリークラブで行われている国内男子ツアー第24戦「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」3日目。1オーバーの24位タイから出た石川遼は6バーディ、3ボギーの「69」で回り通算2アンダーの15位タイで最終日を迎えることになった。
猛チャージをかけたいムービングデー。しかし石川は前半にスコアを落とす展開となった。グリーン左奥にカップが切られた2番(パー3)、4番アイアンでのティショットはグリーン右手前に着弾。20メートル近いバーディパットを残し、結局3パットでボギーが先行。3番では第2打をグリーン右にこぼして2連続ボギーをたたいた。
4番でバーディを取り返すが、6番では右ラフからの第2打が目の前の木に当たるトラブルもあり、またしてもボギーとする。右へ飛び出すドライバーショットが続き、7番(パー5)ではティグラウンド上で苛立ちをあらわにした。しかしこのホールは、その後の第3打できっちりとピンそばにつけてバーディを奪うと、9番までの前半上がり3ホールを3連続バーディとして折り返した。
周囲の心配をよそに「そんなに不安は無かった。いつかは良くなる、それは自分次第だと思っていた」と冷静だった石川。徐々にショットのキレが戻った後半。13番でフェアウェイからの第2打をピンそば1メートル以内につけ、続く14番は奥カラーから下りのラインに乗せて2連続バーディとする。15番からの上がり4ホールでは、いずれも3メートル以内のチャンスを作りながらも、惜しくもパットでバーディを逃したが「チャンスを多く作れた。ミスパットではなく、良いパットをしていた」とラウンド直後の表情は晴れやかなものだった。
予選ラウンド2日間はアプローチで耐えるゴルフが続いていたが、3日目にして本来の攻撃的プレーを披露。居残り練習を続けながら、体重移動の大きなスイングを構築するため日々模索している。トップとの差は9打差と逆転優勝、そして賞金王奪還へは厳しいポジションとなった。それでも確かな手応えに「とにかく今日のようにアグレッシブに行きたい。この位置でも諦めずにやっていく」と自然と言葉に力が入った。(高知県芸西村/桂川洋一)