遼、ショートゲームで我慢 8位発進
国内男子ツアーの今季第24戦「カシオワールドオープンゴルフトーナメント」は24日(木)、高知県のKochi黒潮カントリークラブで開幕。石川遼は4バーディ、2ボギーの「70」で回り、トップの宮里優作には5打差の2アンダーの8位タイで発進した。
コース上を旋回する強風に見舞われた初日。同学年の松山英樹との同組ラウンドに注目が集まる中、石川は序盤から我慢のプレーを展開した。出だしの10番(パー5)で2メートルを沈めてバーディで滑り出すと、12番では12メートル決めて2つめのバーディを奪取。その後はティショットが精度を欠いたものの、ショートゲームが冴えて持ちこたえた。
後半アウトでは2番でグリーン右手前のラフからチップインバーディ。その後はボギーとバーディが連続し、折り返した時点での2アンダーからスコアを伸ばせなかったものの「トップとは5打、ひらいているけれど、トップ10には入った。久しぶりに良いスタートを切った感じ」と安堵の表情を見せた。
フェアウェイキープ率35.71%は、全体97位。ドライバーショットはぶれた。だがその中を、アンダーパーで耐えられた要因はアプローチ。前半17番ではグリーン左エッジから、下りの大きなスライスラインを読みきり、ウェッジでボールを静かに転がして、ピンそば1メートルに寄せ、納得の表情でパーを拾った。
「自分でもああいう寄せ方ができるんだ、と思った。2週間前だったらできなかったと思う」。前週の「ザ・プレジデンツカップ」は自身2度目の出場ながら、世界トップクラスの選手と寝食をともにした一週間はやはり刺激的で収穫も十分だった。「(彼らは)イマジネーションがすごく豊富」と、アドレスまでに、頭の中に打球の軌道を瞬時に描く想像力をかき立てられた。「アプローチは、今シーズンで一番の手応えがある」とまで言った。
冷たい風が吹き付ける中でも、石川はこの日、半袖姿でプレーを続け「先週の熱が覚めやらぬ感じです」とニヤリと笑った。「残り54ホールで伸ばしていくことを考えたい」。ショットの内容に不満を抱く中で、まずまずのスタートを切れたことは大きい。待望の今季初勝利へ、初日の我慢を活かせるか。(高知県芸西村/桂川洋一)