遼、自身2度目のホールインワンも悔いの残る最終ホール
静岡県の太平洋クラブ御殿場コースで開催された国内男子ツアー第22戦「三井住友VISA太平洋マスターズ」最終日。4アンダーの14位タイから出た石川遼は、「67」とスコアを伸ばしたが、通算9アンダーの8位タイフィニッシュ。それでも自身2度目となるホールインワンを17番(パー3)で達成した。
トップと7打差から最終ラウンドを開始した石川は、出だしの1番で1メートルのパーパットを外してボギー発進とした。フェアウェイからの第2打をピンそば2メートルにつけた2番から2連続バーディとするものの、続く4番(パー3)ではティショットをグリーン右手前のクリークに落としてしまい、痛恨のダブルボギーと慌ただしい序盤となった。
それでも6番(パー5)で右サイドからの第2打を2番アイアンでグリーン手前まで運び、3つ目のバーディを奪う。後半10番、11番で2連続バーディを決め、14番ではピン奥から3メートルのバーディチャンスを活かして通算7アンダーまで伸ばし、ガッツポーズを作った。
そして迎えた17番(パー3)。ピンまで214ヤード(表示は228ヤード)を4番アイアンで放ったティショットは「思ったより強く飛んでしまった。オーバーするかと思った」という一打ながら、グリーンセンターやや手前に着弾。すると左奥のピンに向かって約10メートル転がると、そのままカップへと消えた。「入るところが見えなかった」石川は、グリーン周りのギャラリーの大歓声でそれに気づくと、ティグラウンド上を飛び回って喜びを爆発。「本当に入ったのかと半信半疑だった」という心境でカップを覗き込むと、ボールを大事そうに抱える仕草を見せた。
終盤に起死回生のスーパーショット。しかし逆転優勝へ向けイーグルを狙った続く最終18番(パー5)、フェアウェイからの残り177ヤードの第2打は8番アイアンでピン筋を狙ったが、右へ飛び出し、痛恨の“池ポチャ”。第3打はグリーン手前からウォーターショットを披露したが、グリーンをオーバーしてパーでフィニッシュとなり、大会連覇の夢がついえた。
同学年の松山英樹が史上3人目のアマチュア優勝(1973年のツアー制施行後)を果たす一方で、悔いの残る最終ホールに「体が全然動いていない、ひどいスイングだった。悔しすぎるミスショット」と唇をかんだ石川。賞金王レースでトップを走るベ・サンムン(韓国)との差を詰められず「(出場する)残り2試合で優勝を目指して頑張るだけ」と話した。
次週は世界選抜の一員として「ザ・プレジデンツカップ」に出場。「ようやくしっかりとタイミングよく振れるようになってきた。準備ができたという感じ。大きな一週間になるし、チームのために勝ちたいと思うが、自分自身のゴルフも向上させたい」と顔を上げた。(静岡県御殿場市/桂川洋一)