遼、首位タイも終盤に乱れ大混戦を呼ぶ
神奈川県の戸塚カントリー倶楽部 西コースで行われている国内男子ツアーの第18戦「キヤノンオープン」3日目。12アンダーの単独首位から出た石川遼は4バーディ、3ボギー、1ダブルボギーの「73」。後半にスコアを伸ばしきれず通算11アンダー。4人が並ぶ首位タイで最終日を迎えることになった。
今季初めてトーナメントリーダーとして決勝ラウンドを迎えた石川。出だしの1番から4メートルの下りのパットを決めてバーディ発進とし、独走の展開を予感させながらスタートした。3番ではフェアウェイからの第2打をピン手前2メートルにつけて2つ目。6番でグリーン左からのアプローチが寄らずボギーとするが、続く7番(パー5)で2オンに成功しきっちり2パットでバーディを取り返した。
しかし折り返しの9番からムードは暗転。ティショットが左へ曲がり出した。この左ラフからレイアップしてこのホールをボギーとすると、チップインバーディを奪った小山内に逆転され1打差を追って後半へ。12番からは4ホール連続でパーオンに失敗し15番でボギー。16番(パー5)で2メートルのフックラインを沈めてバーディとしたが、最終18番ではティショットを右に打ちだし痛恨のOB。「タイミングが合わなかった。(バックスイングの)トップで『よし、飛ばそう』と邪念が入ってしまった」。ダブルボギーのフィニッシュに笑顔は無かった。
結局、小山内が終盤2ホールでトリプルボギー、ダブルボギーと乱れたため首位タイ、そして最終組を確保。しかし首位に4人が並んで最終日を迎えるのは2004年の「ミズノオープン」以来7年ぶり。そして5打差以内に23人という大混戦を呼んだことに「結果的に面白くさせてしまった。(後続選手を)やる気にさせてしまった」と話した。
それでも試行錯誤を続けるスイングは「日に日に良くなっている」と、その表情からは予選ラウンド2日間のような切迫感は薄れてきた。「いくらリードがあっても勝つことは難しい。明日は簡単な一日にはならない。バーディパットが入るゴルフができれば自分にもチャンスはある」。最後まで不動心を貫き、勝利の女神を振り向かせる。(神奈川県横浜市/桂川洋一)