2011年 キヤノンオープン

悩める遼、「理想のスイングには程遠い」

2011/10/05 18:52
ドライバーショットの復調が待たれる石川遼。一心不乱にクラブを振る

国内ツアー第18戦「キヤノンオープン」は6日(木)から9日(日)までの4日間、神奈川県の戸塚カントリー倶楽部 西コースで開催される。今季初勝利が待たれる石川遼は5日(水)、当地でのプロアマ戦に出場して最終調整を行った。

この日は午前中からあいにくの雨。レインウェア姿の石川は、ティショットでフェアウェイをとらえても、スイング直後に渋い表情を浮かべるシーンが目立った。

賞金ランクでは現在、ベ・サンムン(韓国)に次ぐ2位。だが17試合を経過して未勝利の状態が続いている。シーズンも後半戦に入り、ビッグトーナメントや自身のホスト大会が続く中、なかなか思うように結果が出せない。その一番の要因は生命線であるドライバーショットの不調だ。

2週前の「アジアパシフィック パナソニックオープン」、前週の「コカ・コーラ東海クラシック」のフェアウェイキープ率はいずれも30%以下。しかし数字以上に、手応えがない。「良くはなっているが、本当の理想のスイングはボールが無い状態でのスイング。それには程遠い」と、ため息をつく。「まだヘッドスピードや体の回転、腰の切り方のスピードが遅い」。 “素振り”の時とは違い、ボールを目の前にすると「すべてのショットで詰まったような感じがする」とスムースなスイングができないという。

開幕2日前の4日(火)には、小学生時代に指導されたことのある佐々木孝則氏にスイングチェックを受け、5日には父の勝美氏からアドバイス。そんな石川は精神面での“原点回帰”を強調する。「ここ1年は練習に迷いがありました。他の選手の練習の仕方、コースマネージメントなどが頭に入って、将来のことというよりは、悪く言うと“その場しのぎ”でやっているような気持ちだった」。無意識に芽生えてきた結果に対する想いが、少なからず成長の足かせになっていると振り返った。

開幕前日。常に目の前のラウンドへ前向きな言葉を口にする石川から、最後まで強気なコメントは出てこなかった。「3~4年前の気持ちを振り返ると、練習を将来のためにやっていた。それに向かってやりたい」と自らに言い聞かせるように言う。2年ぶりの賞金王奪還、年末の世界ランク50位以内の確保など目標はある。しかしそれでも、さらなる先を見据えて戦うことを誓った。(神奈川県横浜市/桂川洋一)

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