「予選通過は通過点」遼、成長を感じさせる決勝進出
「全米オープン」2日目、予選カットラインに近い通算3オーバーからスタートした石川遼は、2年連続の決勝ラウンド進出へ向けて、粘り強いゴルフを見せた。
1番で60cmにつけて幸先良くバーディを奪ったが、続く2番、そして4番と微妙な距離のパーパットを決められずにボギーとしてしまう。しかし、この日はティショットが安定しており、6番(パー5)で5mを沈めてバーディを取り返すと、354ヤードと距離の短い8番では、0Iからドライバーに持ち替える積極的な攻めを見せてバーディとし、前半は1つスコアを伸ばして折り返した。
10番(パー3)のティショットを打つ前に、雷雲接近のホーンが響き競技は一時中断となったが、強い雨は一瞬でやんで約40分後にすばやく再開。雨がやんでからはストレッチをして準備をしていたという石川は、難易度の高いパー3からの仕切り直しも、「9番の続きのような気持ちでできた」と、危なげなくピンハイにつけてパーセーブ。「結果的には恵みの雨になりました」と振り返った。
直後の11番でティショットを右のウォーターハザードに入れてボギーとしたが、12番で10mをねじ込みバーディを取り返す。14番では右の林から第2打を、幅2mほどの隙間を抜いてグリーン手前のラフまで運んだものの、4mを決められずにボギーとし通算3オーバーへと後退する。
しかし、勝負所の17番で残り167ヤードの第2打を8Iでピンそば2mにつけてバーディを奪うと、最終18番もきっちりとパーで締めて予選通過を確実なものとした。
「なるべく予選通過は、言葉通り通過点としてとらえてやりたいと思っていました。最終日にアンダーパーでフィニッシュすることを考えながらやっていて、内容としてはすごく良かったです」と石川。今年のマスターズに続き、メジャー大会では連続予選通過を果たし、その表情には自信と充実感が漂っている。
「予選通過にはほっとしていますけど、結果に捕らわれすぎるのは今の自分のゴルフにとって良いことじゃないと思うので、予選落ちしたとしても内容によっては満足していたかも知れません」。石川の精神、技術両面での成長を感じさせるこの日のラウンドとなった。