2011年 マスターズ

悔し涙から1年・・・遼「これで終わりではない」

2011/04/09 09:21
3度目の挑戦で初の決勝ラウンド進出を決めた石川遼(Jamie Squire/Getty Images)

悔し涙から1年を経て、喜びの笑顔へ。「マスターズ」2日目を、1アンダーの24位タイで迎えた石川遼は、この日3バーディ、2ボギーで連日の「71」をマークし、通算2アンダーの20位タイに浮上。3度目の出場で初の予選突破を果たし、「この2ヶ月間、アメリカで良いプレーができていなかったのでホッとしています」と安堵の笑顔を見せた。

通算2アンダーで迎えた後半の14番パー4では、ピン奥8メートルにパーオンさせるが、折り返しの1メートルを外し3パットのボギー。「去年と同じ道をたどりそうになった」と、終盤に崩れて1打差で予選落ちを喫した、昨年の悪夢が頭をよぎった。だが、これまでの2年間とは、明らかに違う石川の姿があった。「15番でまたチャンスが来ると思っていた」と冷静さを保ち、直後の15番パー5でプラン通りのバーディを奪取。さらに過去2年、第2ラウンドで苦渋を舐め続けてきた鬼門の16番パー3ではピン手前2メートルにつけ、難なくパーで突破。最終18番も1.2メートルのパーパットを沈め、危なげなく予選ラウンドを締め括った。

だが、予選突破はあくまで通過点。ホールアウト直後に口にしていた安堵感も、数秒後には消えていた。「これで終わりではないし、これからが勝負。予選を通ったから何位でもいい、では意味が無いし、上位でプレーしてこそ意味がある」と、笑顔はいつしか厳しい表情に変わっていた。

「マスターズ」決勝ラウンドは、3度目の出場にして初めて迎える未知の世界。「来年、優勝争いをするために何が大事なのか、考えながらプレーしたい。トータル8アンダーまでいけばトップ10に入れるかもしれないし、まずは2日間を60台で上がることを目標にします」。マスターズでの将来的な目標に掲げる「タイガーとの優勝争い」に少しでも近づくため、決勝ラウンドも全力プレーを心がける。

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