2011年 ザ・ロイヤルトロフィ

シングルスで敗れた遼「自分の実力が出た」

2011/01/09 20:08
最終日、石川も敗れ、チームもまさかの大逆転負け。石川の表情も茫然自失といったところか

3日間にわたりタイ・ブラックマウンテンGCで行われたアジア選抜と欧州選抜の対抗戦「ザ・ロイヤルトロフィ」。3年連続3度目の出場となった石川遼は、またしても会心の笑顔で、ほほえみの国を去ることができなかった。

シングルスのマッチプレー8試合が行われたこの日、石川の対戦相手はリス・デービース。ウェールズ出身の25歳との対戦はあわただしい幕開けとなってしまう。出だしの1、2番ホールを連続ボギー。2番ではティショットを2日目と同じ左の池に入れた。

4番で第2打をピン左3メートルにつけ1ダウンと挽回。しかし2オンに成功した6番パー5で2パットのバーディを奪うも、デービースにイーグルを奪われるなど、流れを引き寄せられない。

2ダウンで迎えた11番からは池ポチャも絡んでから3連続ダウン。あとがなくなったドーミーホール、14番から2連続アップを奪うも、デービースにバーディを奪われた16番で万事休す。苦しむアジア選抜にポイントをもたらすことはできなかった。

大会を通じ、生命線であるドライバーショットに精彩を欠いた。「ティショットの不調の原因はリズム。バックスイングがゆっくりだったり速かったり。ばらばらだった」。改造中の、体重移動をより大きくしたスイング。「この大会では右足に乗り切らないまま切り替えしていた」と反省の弁が口をついた。

初日、2日目と杉並学院高時代の先輩である薗田峻輔とペアを組み、イタリアの新星マッッテオ・マナッセロとスペインのパブロ・マーチン組を圧倒。しかし「ダブルスとシングルスは僕の中では別物と思っています。ダブルスは先輩に助けられ、シングルスでは自分の実力が出たと思います」と自らを責める。

石川は同大会3度の出場でダブルスは3勝2敗1分け(全6戦)だが、シングルスは2敗1分け(全3戦)と勝ち星がない。「相手がいいショットを打ったら認めるとか、お互いにいいプレーをすればいいマッチプレーになると思っていたんですが、相手がいいショットを打つと、どこかで焦りが出ていたのかもしれないです」。

2年ぶり2度目の栄冠を逃したアジア選抜。責任感の強い19歳の帰路はまたしてもほろ苦いものとなったが、2月末に出場する「WGC アクセンチュアマッチプレー選手権」に向けても、価値ある宿題を持ち帰った。

2011年 ザ・ロイヤルトロフィ