遼、怒涛のバーディラッシュで6位タイへ急浮上!
「ゴルフ日本シリーズJTカップ」2日目、最下位からのスタートとなった石川遼が、圧巻のプレーを披露した。
「昨日ホールアウト後に練習をしていて、終盤スイングが良くなってきたので、父が『このスイングなら半分バーディが獲れてもおかしくない』と言ったのですが、まさか現実になるとは思っていなかったです」。この日のラウンドを終えた石川は、自身も信じられないといった表情で今終えたばかりの18ホールを振り返った。
首都圏は朝から強い雨に見舞われた。その影響で競技開始は1時間遅れたが、第1組の石川がスタートする10時にはその雨も止んだ。3番で10mのロングパットを沈めてバーディを奪うと、続く4番ではティショットを左の林に曲げてしまう。しかし、第2打地点に行ってみると、「ぽっかりとピン方向に空間があって、160ヤードを8Iで普通に打った」と、2.5mにつけて連続バーディとする。「あそこら辺から、ちょっとおかしいかなと思いましたね」と石川は振り返った。
良いショットをしても、良いパットをしてもバーディが獲れるとは限らない。ところが、この日の石川は、微妙な距離のバーディパットもカップに吸い込まれ、OBしたと思った球が木に当たって戻ってくる。石川は何かに導かれるようにバーディを奪い続けた。
9番ではアゲンストの中175ヤードを5Iで4mにつけ、10番は145ヤードを7Iで1mにぴたりとつけ連続バーディとする。圧巻だったのは、最終18番。ティショットをグリーン右サイドに外したが、そこから15ヤードのアプローチを直接ねじ込むチップインバーディ締め。その場で飛び上がった石川は全身で喜びを表現し、カップから拾い上げたボールをギャラリーへと投げ入れた。
結局この日は9バーディ1ボギーの「62」で回った石川は、通算2アンダーの6位タイへと急浮上を果たす。「今日は何かから解き放たれたかのような気持ちで、初日は本当に緊張していたんだと思いました」と石川。首位の池田勇太との差も6打と詰め寄った。それでも、「まだ自分に期待をするのは早い。明日のプレー次第です」と、気持ちを緩めることは無かった。