遼に試練・・・スコアを求める意識が悪影響
先週の「日本オープン」最終日。首位を5打差で追う焦りがショットを乱し、逆にスコアを落とす展開となった石川遼。その表情やプレーには、抑えきれない悔しさや怒りの感情が現れていた。順位や成績を優先せず、自分のスイングやプレーだけに集中すること。普段からの心構えを持続できず、不満の募る内容に終わった。
気持ちを切り替えて臨んだはずの、今週の「ブリヂストンオープン」初日。だが、ホールアウト後に石川から出てきた言葉は「酷かった。お話にならない内容」という、厳しいラウンドを物語るものだった。「これだけショットが酷かったのは久しぶり」と前半からドライバーショットが左右に散り、11番、13番、14番とボギーを重ねる。一時は4オーバーまで後退。上がりを3連続バーディで締めて盛り返したものの、首位に7打差の1オーバー、68位タイと出遅れる結果となった。
「バーディは獲れたけど、それ以外がヘタ過ぎた」。5バーディを奪うも、それを上回る6ボギー。不本意な内容ながら、プレー中は先週に比べて感情を抑え込んでいるようにも見えたが、「抑えているというより、自分に呆れていた」と苦笑する。
序盤のボギーが、歯車を乱す一因だった。「スコアがちょっとでも沈むと、取り返そうと悪循環にはまっていく。2回続けて出てしまっている」。先週の「日本オープン」最終日から出始めたという、結果を求める雑念。同じ過ちを犯したことへの、反省の言葉が続いた。「良いスコアを最優先に考えると、自分の場合はダメになる。それ以前の問題が生まれてしまう」。これまでには無かった、気持ちの変化。その要因の1つに、2年連続賞金王に向けた意識も含まれていることを認めた。
「たくさんの要素があるけど、どうクリアしていくかが自分にとってこれからの大きな挑戦」と石川。ショットに関しては、ホールアウト後の練習で修正は済んだ。まずは結果を求めず、自分のプレーだけに集中する気持ちを取り戻すこと。このメンタルな部分が、明日以降の浮上に繋がるポイントになりそうだ。