遼、猛追及ばず「悔しい気持ちでいっぱい」
通算9アンダーの首位タイで「キヤノンオープン」最終日を迎えた石川遼は、前半から中盤にかけて苦しい展開が続いた。「アイアンの距離感は合っていたが、方向性にズレがあって、難しいラインのパットを決め切れなかった」。アイアンの乱れから生まれた悪循環により、12ホールを終えて1ストローク後退。首位の横田に、一時は4ストローク差をつけられる。
だが、「諦めちゃいけない、と自分に言い聞かせ続けていた」という気持ちが、怒涛の追い上げを演出した。13番、14番とバーディを奪うと、15番のボギーを挟み16番から3連続バーディフィニッシュ。「18番で待っている方々に、バーディで上がるパフォーマンスを見せたかった」という最終ホールでは、残り116ヤードの2打目をピン横30センチにキャリー。ピンをかすめてバックスピンで4メートル戻ったものの、これをねじ込むのは流石の一言。右手を突き上げ、ギャラリーの大歓声に応えた。
優勝の横田には2ストローク及ばない、通算12アンダーの単独2位。「優勝できず、悔しい気持ちでいっぱいです」と、話す表情からも無念の気持ちが伝わってくる。対して、ドライバーショットには大きな収穫を口にした。「先週とは比べものにならないくらい振れていた。これからのトーナメントが一層楽しみになったし、これからの自分にも期待できる内容だった」。4日間連続「69」という安定した好スコアも、好調なドライバーショットの賜物だろう。
今週で賞金1,500万円を加算し、賞金ランクトップを堅守。同ランク2位の藤田寛之との差を約1,371万円に広げた。来週は、日本ツアー最高峰の舞台「日本オープン」。「状態を維持するよりも、もっと良くして木曜のティグラウンドに立ちたい。早くコースに行きたい気持ちでいっぱいです」と、逸る気持ちを抑えきれない様子だった。