2010年 全米オープン

遼、「全米オープン」で得た新たな自信

2010/06/21 14:00
デービス・ラブIIIと健闘を称え合う石川遼。充実の4日間を終えた

「全米オープン」最終日を、首位に9打差の通算3オーバー、7位タイで迎えた石川遼。「ベスト5という大きな目標を持っていた」との意気込みで臨んだが、この日は強い風と日に日に硬さを増すグリーン、シビアなピンポジションにも苦しめられ、グリーン周りでスコアを落とす展開となった。

スタートホールを3オン2パットのボギーとすると、短い4番パー4ではドライバーで放ったティショットを右に曲げ、今週初となるダブルボギー。さらに8番でもダブルボギーを叩くなど、この日1バーディ、6ボギー、2ダブルボギーの「80」。通算12オーバーの33位タイと大きく後退し、石川の初の「全米オープン」は幕を閉じた。

ホールアウトして最初に頭に浮かんだのが「トーナメントを戦って、こんなに疲れたのは初めて」という感想。ただでさえ難度の高いペブルビーチを、「全米オープン」仕様のセッティングに仕立てた今年の舞台。1打1打に緻密なマネジメントと集中力が求められ、心身の疲れはラウンドを重ねるごとに溜まっていった。

だが、かつてない疲れはメジャーの舞台で上位争いを続けたことへの代償。そして、その活躍が石川に新たな自信を植え付けた。「自分は『全米オープン』に向いていない、という先入観を払拭できたし、難しいコースを考え抜いて攻めるゴルフが楽しく感じました。1打1打をイメージし、考えに考えて攻めるゴルフが初めてできたし、これからのプレーに活きていくと思います」。今週は、1日に3ホールほどアイアンでティショットを打っていた石川。ホールごとに状況を把握し、時にはドライバー以外の最適なクラブで攻め、バーディを奪う。これまでとは根本が異なる石川の“攻めのゴルフ”、来週の「~全英への道~ミズノオープンよみうりクラシック」で見るのが楽しみだ。

2010年 全米オープン