遼、9打差に離され「優勝争いから遅れて悔しい」
「全米オープン」の舞台に、“ISHIKAWA!”という声援が鳴り響く。首位に2打差の2位タイで決勝ラウンドを迎えた石川遼は、最終組の1つ前となる午後3時40分に、94年、97年大会のタイトルホルダー、アーニー・エルスと同組で1番ティからスタートを切った。
日本ツアーにはない遅い時間帯でのスタートには「影響はありませんでした」という石川だが、「3日目にして一番、緊張しました」と振り返る。最終組が1組後ろを回る独特の雰囲気、歴代チャンプのエルスとのラウンド。かつてない大きな舞台に、心臓の鼓動は早まった。
その中で迎えた、1番パー4のスタートホール。ティショットをアイアンでフェアウェイに運ぶと、2打目はグリーン手前のカラーへ。残り10メートルをパターで打ち、1メートルオーバー。返しのパットを外してしまい、ボギー発進としてしまう。「今日、一番ブレていたのはパットのストローク。昨日まで入っていたパーパットが入らなかった」。この1番ホールが暗示していたかのように、この日はパットに苦しむ1日となる。
290ヤードと短めに設定された4番パー4では、3日目にして初めてドライバーを持ち、見事ピン右2.5メートルに1オン成功。イーグル逃しのバーディを奪いギャラリーの大歓声を浴びたが、これがこの日最初で最後のバーディとなる。直後の5番では2メートルを外して3パットのボギー。さらに9番、11番、13番とボギーを叩き、この日1バーディ、5ボギーの「75」でホールアウト。通算3オーバーの7位タイに後退し、首位とは9打差に離されてしまった。
「優勝争いから大きく遅れてしまい、悔しいです」。ラウンド中、この日5ストローク伸ばし、通算1アンダーの単独3位に浮上したタイガーとのラウンドを切望していたと話すが、その願いも叶わなかった。だが、何が起きるか分からないのが海外メジャー。追撃モードに切り替えるであろう石川のプレーに、明日の最終日も高い期待が寄せられる。