遼、開幕前日「去年より単語は覚えた」
2010年の「マスターズ」開幕を翌日に控えた水曜日、石川遼は現在の心境を身近なものに喩えて説明を始めた。
「僕と同い年で、卒業して浪人する友達が居るのですが、どんな1年を過ごすんだろうってちょっと想像したんです。今から365日勉強をするのか、半年前から勉強するのか、それとも残り3ヶ月でスパートするのか。もしそうだとしたら、残りの9ヶ月は何をするのか?」
石川にとっての「マスターズ」は、大学受験に挑む友達と同じように1年に1回きりのテストだという。「去年予選落ちした時から、明日から練習しないといけないと思って1年間頑張ってきたけれど、本当にこれで良いんだろうか?何か足りないんじゃないだろうか?もっと出来たんじゃないだろうか?という気持ちはあります。それでも、その気持ちは払拭したいし、まずは1年間やってきたことを認めてあげたいです」。
この1年間は地味な反復練習を続けてきた。「こんなに同じショットを繰り返したことはないっていう位やりました」と石川。取り組んできたことは、バンカーショット、ロブショット、アイアンでのフェード、そしてドライバーの精度向上の4つ。「勉強でも同じですが、同じ単語を何回も書いていると、テストで生きてくるじゃないですか」。他にも覚えたい単語はあったが、必死でこの4つの単語習得に努めたという。
「最後の一週間に集中してやるなら、調子が良いのか悪いのか分からないままプレーするようなものだけど、長くやってきた分、不安は大きくなりました。でも、1年間やりたいことはやってこれたと思います」。終着点が無いだけに、やればやるほど新しい課題が見えてくるのだろう。
「初めてのテストでは勉強不足で知らない所があったり、打ったことの無いショットを打たされて『この単語、何!?』みたいな事がありました。この1年間で去年より単語は覚えたと思います。今年は是非、合格したいですね」。
やれることはやってきた。1年ぶりの「マスターズ」は、いよいよ明日開幕する。