遼、2年目のPGAで感じた大きな成長
ようやく眩しい太陽が顔を出した「ノーザントラストオープン」最終日。強い日差しが影の濃さを増すように、PGAツアーの厳しいコースセッティングと厚い選手層は、各プレーヤーのショットの質を鮮明に浮き上がらせた。
最終ラウンドを通算5アンダーの15位タイで迎えた石川遼。序盤こそ2つのバーディを先行させたが、7番でティショットをラフに入れ、レイアップ後の第3打。ピンを狙ったショットは、グリーンにキャリーしたものの、傾斜とバックスピンでグリーン手前まで戻ってしまいボギーとする。
11番でも、ピンを狙った3打目がグリーン手前まで戻ってしまい、アプローチを寄せきれずに痛恨のボギー。「バーディが欲しいホールでボギーを叩いてしまい、モチベーションが下がりかけた」という石川。7番から16番までの10ホールで5ボギーを叩き、通算2アンダーまで後退してしまう。
しかし、「初日から良いプレーをして余裕もあったし、気持ちの波は立たなかった」と石川は振り返る。「1年前は日本に忘れ物をしてきた感じでソワソワしていたけど、今週は自分を持ってプレーが出来た」と、この状況でも我を失うことは無かった。
前日、イーグルを決めた17番でバーディを奪うと、最終18番では12mのパットがカップを直撃して入る連続バーディ。「途中までは読んだラインに載っていると思ったけど、近くになるにつれてかなり強いなと思いました。ラッキーでしたね」と苦笑い。それでも、18番グリーンを取り囲んだ大勢のギャラリーの祝福に、石川は満面の笑みで浮かべた。
結局、通算4アンダーの32位タイで今季のPGA初戦を終えた石川は、当初の目標としていた予選通過を果たし、「反省点も沢山あるけれど、素晴らしい一週間だったと思います」と、充実した表情を見せた。
「ドライバーがまだまだタイミングが合っていないことがあるのが断トツ」と、課題はもちろんあるものの、「自分の気持ちの持ち方、攻め方に大分自信が持てた一週間だった」と、1年前とは格段に成長した自分も感じた。来週以降もまだ2試合が待っている。「もっともっと調子を良くしていきたいです」と、石川は力強く締め括った。