チームは最下位も、来年への準備は着々
昨年はMVPに輝く活躍を見せた「Hitachi 3Tours Championship」の石川遼。今年は賞金王として、JGTOチームの3連覇を牽引すべく大会に臨んだ。
第1ステージは、今年の男子ツアーを盛り上げた池田勇太とのコンビ。中嶋常幸と渡辺司のPGA組、横峯さくらと諸見里しのぶのLPGA組を相手に挑んだが、スタートホールから苦しいボギー発進。17番パー5では、ショートカットを狙った石川のティショットが池に落ち、ダブルボギーとしてしまう。結局、通算2オーバーで終えた石川組は、3チーム中最下位で、1ポイントを獲得するに留まった。
第2ステージのシングルス戦では、尾崎健夫、そして再び横峯と対戦することに。17番までは単独首位に立っていた石川だったが、最終ホールでバーディを奪った尾崎に並ばれ、首位タイで終わってしまう。1位なら3ポイントだったが、1位タイで2.5ポイントを分け合うこととなり、結局この0.5ポイントが響き、通算成績でLPGAチームに及ばずに、JGTOチームの最下位が決定した。
「優勝じゃなければ、2位も3位も一緒かと思っていたけど、3位っていうのはちょっと違うのかも知れないです」と石川も落胆を隠せない。「やっぱりドライバーですかね。17番で池に入れてしまったし、その他も自分で担当したホールでドライバーのミスが多く、ちょっと厳しい状況になってしまいました」と、肩を落とした。
それでも、来年に向けての準備は着実に進んでいる。年明けすぐに出場するロイヤルトロフィーも団体戦で、この日ペアを組んだ池田と再びコンビを組む可能性はある。「一番コミュニケーションするのはグリーン上だけど、凄くやりやすかったです」と石川。「オルタネートだと、一度ミスすると謝りたくなってしまうけど、心理的、精神的な面でシニアは流石だなと思いました」と、熟練の技も学んだ。
さらに、今週は来年から導入される新しい溝規制にそったウェッジを投入。「もう一ヶ月に迫っていたんだなという感じです」と、実戦での手ごたえを確かめた。「これから、ロブショットの練習を増やしていこうと思っていたタイミングで新しい溝になるのは、ラッキーです」と石川は前向きに話す。JGTOチームの3連覇はならなかったが、大会主旨のチャリティ、そして来年に向けての準備と、実り多き大会となったようだ。