遼、“鬼門の3日目”を乗り越え、今季3勝目に王手!
国内男子ツアー「フジサンケイクラシック」3日目、2位に1打差の単独首位からスタートした石川遼は、序盤から後続を突き放すロケットスタートを見せる。1番パー4で手前2メートルを沈めてバーディ発進とすると、今週の初日に初めて2オンした3番パー5で、再び2オン。ピンまで残り265ヤード、3番ウッドから放たれたボールはピン手前10メートルにキャリーで落ち、そのままピン方向へ。80センチに寄せるスーパーショットを見せ、イーグルを奪った。
通算11アンダーで前半を終え、この時点で2位とは4打差。このまま独走態勢を築くかに思われたが、11番で1メートルのパーパットを外したのを皮切りに、パットに乱れが生じる。「ボールの行方を気にしすぎて、フォローが短くなっていた」。その後、13番で1.5メートル、14番でも1メートルのパーパットを外して連続ボギー。2位で追う久保谷健一に1打差まで詰め寄られるが、「15番から立て直すことができた」と、その後は15番で2メートル、16番で3メートル、17番パー5では2オン2パットと3連続バーディを奪い、一気に通算11アンダーに戻す。最終的に1イーグル、5バーディ、4ボギーの「68」と3ストローク伸ばし、2位に2打差の単独首位で最終日を迎える。
前半からスコアを伸ばした石川だが、実は心にある迷いが生じていたという。「3日目は、気持ちの持ち方が難しい。最終日は伸ばすしかないけど、3日目は攻めれば良いのか、守れば良いのかの判断が難しいところ」。序盤のバーディ、イーグルも「たまたまだった」と振り返るほど、気持ちが定まらぬ中でのプレーが続いていた。「おかしいなあ…。そこまで自分が良いプレーをしているのかなあ…」。後半の3つのボギーは、その心の迷いから生まれたもの。「あのボギーで目が覚めた」と、その後は自らに気合を注入し、3連続バーディへと繋げた。
このメンタル面での迷いを、「経験の浅さ」と表現した石川。「3日目が僕にとって鬼門。これからの課題だと思う」。この鬼門を何とか乗り越え、迎える明日の最終日。目標は至ってシンプル、迷うことなく優勝へ向けて突き進むだけだ。