石川遼、逆転負けでも「悔しさ少ない!」
国内男子ツアー「VanaH杯KBCオーガスタゴルフトーナメント」で、通算14アンダーの単独首位で最終日を迎えた石川遼。今季3勝目、そして賞金ランキング首位の座をつかむ絶好のチャンスだったが、思わぬアクシデントがその野望を阻んだ。
前半に4バーディを奪い通算18アンダーの首位で後半を迎えた石川は、11番でも2打目でピン横40cmにつけるスーパーショット。通算19アンダーまでスコアを伸ばし、13番パー5に入った。ティショットが右サイドのラフに行き、2打目はフェアウェイウッドでグリーンを狙った。ところが狙いよりも右に飛んだボールは、山のようなギャラリーの誰もが確認できなかった。
上空に張り出した松の枝に引っ掛かったと思われロストボールに。打ち直しに戻った石川は、このホールをボギーで首位の座を一旦明け渡した。「あの場面、左方向のミスは絶対にダメだと思っていましたが、狙いより右に飛んでしまいました。自分でそんなに悪く捉えていなくて、最善を尽くすことを心がけました。たとえボールが木から落ちて、打てる状態でもバーディを取れたかは分かりませんし」。冷静な対処が、続く14番、15番の連続バーディに繋がったようだ。
石川が16番グリーンにたどり着いたとき、首位の池田勇太と今野康晴は通算21アンダーでホールアウト。追い上げる石川としては、ボギーを叩ける状況ではないが、16番でこの日2つ目のボギーを叩き再び通算19アンダーに後退。
17番パー3でもスコアを伸ばせなかった石川は、最終18番パー5でのイーグルがプレーオフに残る最低条件となる。向かい風の強い18番で、ティショットをフェアウェイに運び、2打目でピンの左下5mにつけた。絶好のイーグルチャンス到来。しかしこのパットを30cmショートしてしまい、バーディフィニッシュ。1打及ばず単独3位で終了した。
「この結果は悔しいですけど、悔しさが少ない負けです。自分自身は良いゴルフができたという感じがありますし、勝てないとは思っていませんでした。朝に20アンダーを目指してやっていたんですけど、そんなに甘くはなかったですね」。石川にとってこの日最も悔やまれる一打は、最終18番のイーグルパットとなった。