遼、最終日にギャラリーを魅了!「最高の1日でした」
石川遼の初挑戦となる米国男子メジャー最終戦「全米プロゴルフ選手権」も、いよいよ最終日を迎えた。通算8オーバーの70位タイと下位に沈んでいるが、この日の同伴プレーヤーは、なんと“最強のレフティー”フィル・ミケルソン。「全英オープン」のタイガー・ウッズに続き、再びビッグネームとのラウンドに胸を高鳴らせ、1番ティからスタートを切った。
序盤は、ミケルソンに世界トップクラスの本領を見せ付けられる。1番パー4で残り約200ヤードの2打目をカップに捻じ込み、いきなりのミラクルイーグル。「朝からエンジンフル回転で信じられない」と、石川も興奮の表情でミケルソンとハイタッチを交わした。一方の石川は、「序盤は世界のトップとのラウンドに緊張があった」と固さが目立ち、1番、3番とティショットをラフに打ち込みボギー。4番パー3でも3パットによるボギーを叩き、この時点で3オーバー、通算11オーバーにまで後退してしまう。
だが、「Todayイーブンまで戻したいと思った。最後まで諦めてはダメだと思った」と振り返る石川は、ここから目覚しいプレーを披露する。7番パー5で2オンに成功し、イーグル逃しのバーディを奪うと、9番パー4では約20メートルのバーディパットを捻じ込み、グリーンを取り巻くギャラリーの大歓声に両手を挙げて応えた。さらに後半に入り、15番パー5でバーディを奪った直後の16番パー4。残り56ヤードの3打目をサンドウェッジでフワリと上げると、ボールはカップに吸い込まれ、ミケルソンのお株を奪うようなバーディ!「あんなに大きな歓声を受けたのは初めて」と、ミケルソンから主役の座を奪う大活躍を見せる。
この日4バーディ、4ボギーでホールアウトし、打ち立てた目標に達するイーブンパーでフィニッシュ。通算8オーバーの56位タイに浮上し、充実の4日間を終えた。「今日は最高の1日でした。一週間を通しても、すごく良い経験になりました」と笑顔で答える石川。海外メジャー初の予選突破、大会最年少予選通過記録の樹立、ミケルソンとのラウンドと、多くの話題を生んだ今週。「予選を通ったという意味では、『マスターズ』や『全英オープン』に比べて倍近く、それ以上の収穫があったと思う。反省点はたくさんあるし、日本に戻って活かしていきたい。そうすれば、最後まで賞金王争いにも加わっていけると思います」。18日(火)に帰国し、20日(木)からは早速、国内男子ツアー「関西オープン」に出場する予定だ。