遼、タイガーと共に予選敗退
「全英オープン」2日目、前半9ホールを1ボギーの通算1アンダーで折り返した石川遼だが、後半9ホールに入ると、それまでの流れはがらりと変わった。
10番のティショットは右のラフ。第2打はグリーン手前のバンカー内にあるブッシュに入れてアンプレヤブルとし、4オン2パットのダブルボギー。続く11番パー3では、1m弱のパーパットを外して3パットのボギーとする。同組のタイガー・ウッズが8番からボギー、ボギー、ダボと崩れるのに歩調を合わせるかのように、その後の石川も15番までボギーを止めることが出来なかった。
「前半はほぼ風にも対応出来たし、グリーンを外してもパーセーブして何とか我慢が出来ていた。9番が終わってまさかバックナインでここまでボギーが続くとは、全く予想していなかった」という石川。
「10番のティショットのひとつのミスがダボに繋がってしまって、11番の2パット目ももう一回打てば入るし、(花道にショートした)12番のセカンドもピンの奥に打てと言われれば打てる」と、ショットの手ごたえは感じながら、噛み合わずにスコアだけがずるずると落ちてしまった。
結局、この日「78」と8つスコアを落とした石川は通算6オーバーでカットラインに2打及ばずに予選落ち。それでも、「マスターズの時に感じた練習不足のような思いはない」と、意外にもさばさばした表情で振り返った。
この微妙な雰囲気には、タイガーの影響が少なからずあるようだ。「9番、10番とタイガーがプッシュアウトするのを一番近くで見ていて、ちょっと信じられない方向に飛んでいったので、どうしたのかなと思ってしまった。他の選手が気にするのは正しいとは思わないけど…」。崩れていくタイガーを前に、石川の闘争心も徐々に失われてしまったようだ。
それでも、イギリスの地で得た経験は大きな財産となるはずだ。「やることは明確になっているので、どれだけ自分に厳しく打ち込めるかです」。すぐに来週から日本ツアーに参戦し、石川の挑戦は続いていく。