遼、2アンダー21位発進「90点以上はあげたい」
「全英オープン」初日、初めてのタイガー・ウッズとのラウンドに、スタート前から緊張の色が見えた石川遼。1番のティショットに選んだクラブは3番アイアン。3回素振りをしてから振りぬいたショットは、フェアウェイ右サイドのセミラフへ飛んだ。
2打目でグリーンを捉えてパースタートとした石川。「スタートの時は頭が真っ白に近い状態で、ティにボールを載せる作業が難しく感じたけど、緊張は最初の1ホールだけでした」と、続く2番でピン下2mにつけて早くもバーディを奪う。その後はボギーも叩いたものの、常にバーディを先行させて、前半を3バーディ3ボギーのイーブンパーで折り返した。
後半も安定したドライバーとアイアンショットでチャンスを作るが、13番、14番と続けて1ピン程のバーディパットを外してしまう。続く15番でようやく3mのバーディパットを沈めた石川は、キャディに肩を抱かれて、ほっとしたような笑顔を見せた。
17番パー5もバーディとした石川は、後半は2バーディの「33」。通算2アンダーの21位タイと絶好の滑り出しを見せた。
「100点は無いけど、90点以上はあげたい」とこの日のラウンドを振り返った石川。「ティショットがブッシュに入っても最小限で切り抜けられたし、大曲りもなく抑えられた」と、日本ツアーから続く好調なショットはリンクスコースでも健在だった。
同組で回ったタイガーは石川のプレーについて「とても印象的だった。彼はいかにゴルフするかを知っている。特に印象的なのは、彼の球がとても高かったこと。このまま努力を続ければ、みんなにも彼の才能のあることが分かるはずだ」とコメント。一方の石川はタイガーとのラウンドについて、「今日はティショットが安定してないように見えたけど、レベルが違うなと感じました。すべてを当たり前のようにやっている。余裕が違うと思いました」と、世界ランク1位のプレーを間近で感じとっていた。
この日も好天に恵まれ、ほとんど風も吹かない絶好のコンディション。まだ“全英らしさ”は影を潜めているが、予選突破へ向けては幸先の良いスタートだ。「(予選通過へ)手ごたえがあるとは言えないけど、無くはない。明日も乱さずにやれば可能性は高くなると思う」と、気を引き締めていた。