遼、林に苦しめられてイーグルも台無し
強風の影響によりショットの精度を乱し、通算6オーバーの39位タイに後退して「三菱ダイヤモンドカップゴルフ」3日目を迎えた石川遼。雨がパラつくものの、比較的風は穏やかな中、一夜明けて復調したショットを披露する。スタートホールの10番ティショットこそ少し左に曲げたが、以降は次々とフェアウェイをキープ。だが、「ショートアイアンの距離感と方向性が合っていなかった」とピンに絡め切れず、微妙な距離のバーディパットがカップを逸れ続ける。バーディを予感させるものの、なかなか追撃体制に入れない。
すると、16番パー3ではグリーン右のカラーからパターで寄せきれずにボギー。続く17番パー4ではティショットを右の林に打ち込むと、2打目は木に当たり脱出失敗。3打目でフェアウェイに出し、4打目をピン手前2メートルにつけるが、これを外しダボとする。18番でもボギーとし、前半で4ストローク落とす苦しい展開に。
だが、「18番はティショットのミスじゃなかったので引きずらなかったし、(折り返し後の)1番もドライバーが狙い通りに打てたので、すぐに気持ちを切り替えられました」と、後半に入りスイッチが切り替わる。1番をバーディとすると、続く2番パー5では、残り230ヤードの2打目を3番アイアンで左奥カラーに寄せ、約12メートルをパターで沈めてイーグル。さらに4番、6番とバーディを重ね、10番からの6ホールで5ストローク縮める爆発力を見せる。上位浮上への期待も高まったが、7番をボギーとしてしまうと、最終9番ではティショットが左の林へ。2打目は木に当たり林から抜け切れず、4オン2パットのダボ。「7番と9番で酷いティショットを打ってしまい、悔しいです。それまではほぼ完璧だったのに…」と悔いの表情を見せた。
最終的に、1イーグル、3バーディ、3ボギー、2ダブルボギーの「74」。2ストローク落とし、通算8オーバーの38位タイで最終日を迎える。目標に掲げていた通算イーブンパーは遠ざかったが、まだ望みは捨てていない。「今日のコンディションで5アンダーを出した選手(B.ジョーンズ)もいるので、それを目指したい。最後の3ホールを残して5アンダーで回れば(通算イーブンパーの)チャンスはある。今日の内容であれば、遠い目標ではないと思います」。本当に調子の良さを実感しているからこそ、高い目標を掲げられるのだろう。