有村、意地の反撃及ばず一打に泣く
18ホールを終え、スコアカードを提出しても、自分の順位が分からない。「カットラインはいくつですか?」と記者に聞いて2オーバーだと知らされると、「あ、やっぱり」と大きな瞳が瞬間曇った。「ウェグマンズLPGAチャンピオンシップ」2日目、有村智恵の反撃はほんのわずかに届かなかった。
通算6オーバーと大きく出遅れた初日だったが、この日は1番、3番と序盤からバーディを先行させる。しかし、7番(パー3)でボギーとすると、続く8番(パー5)では、2打目を右に曲げてしまい、3打目は木に当たって手前のバンカーへ。「バーディを獲りたい気持ちが強くて木に当ててしまった」と、チャンスホールで痛恨のボギーとしてしまう。
しかし、11番(パー5)でバーディを奪うと、15番(パー3)では10mのロングパットを沈めて通算4オーバー。17番(パー5)でも、2打目をグリーン右のラフまで運ぶと、そこから2.5mに寄せて意地のバーディで通算3オーバー。最終ホールにバーディを奪えば、予選通過というところまでこぎ着けた。
最終ホール、会心のドライバーショットはフェアウェイをキープしたが、2打目はピン右10m。最後のバーディパットはカップ手前でわずかによれて、有村の望みを絶った。
「あと一つ欲しいなってずっと思いながらプレーしていたけど、もう一つがこなくて・・・。15番、17番で獲れたけど、あと一つが足りなかった」と有村。前日、3連続ボギーを叩いた2番からの3ホールは、「そのイメージに負けずに気持ちよく振れるか一つ一つ挑戦しながらやった」と、克服に成功したがそれでも一打及ばなかった。
「こういう状況で粘ることができたのは、次に繋がると思う」と収穫も挙げる。しかし、何よりの収穫は今大会で得た悔しさだ。「この結果を素直に受け止めて、実力、練習が足りなかったと思って次につなげるのが大事です」。週末の予定が明いてしまったね?との問い掛けに、「逆に、ここで良い練習ができるので良かったです」と即答したのは、本心のように感じられた。【NY州ピッツフォード/今岡涼太】