単独首位をキープした有村「ワクワクしている」
米国女子ツアー第2戦「HSBC女子選手権」の2日目、4アンダーの単独首位で出た有村智恵が1イーグル、6バーディ、2ボギーの「66」をマークして通算10アンダーとし、2位との差を2打に広げた。
最終組でスタートした有村は、出だしの1番でいきなりボギー。2番で残り120ヤードの第2打を1メートルにつけてバーディで取り返すが、続く3番(パー3)で今度は3パットボギー。慌ただしい立ち上がりとなってしまう。
しかし、1つのショットが一瞬にして流れを変えてくれた。5番(パー5)、フェアウェイからの第3打は残り108ヤード。PWで「いつもより多く体を回した」というショットは、グリーン右奥のピンをめがけて一直線に放たれ、そのままカップイン。本人は落ち所が分からなかったが、大歓声がイーグルを教えてくれた。
その後は波に乗ってバーディを量産。15、16番ではいずれも5メートル前後のパットをねじ込んだ。2日連続の単独首位に無邪気な笑顔がはじけた。
「最初は少し緊張したけれど、途中から修正できた」。重圧のかかる最終組にも動じない。昨年、宮里藍らが師事するメンタルコーチ、ピア・ニールソンとリン・マリオットの記事を目にし、精神面での向上を図った。「去年までは結果に対してガツガツしていた。計算して先走ってしまっていた。きょうは、ひとつひとつ積み重ねていった結果。いい方向に行っている」と手応えを感じるラウンドにもなった。
同組で回った韓国のチェ・ナヨンはジュニア時代からの友人。食事をする仲で、オフに訪れた米国フロリダのレッドベター・アカデミーでは同じコーチの教えを受けている。そのナヨンが昨季米国で賞金女王になったのは、もちろん今年の刺激の一つだ。
大会前に目標としていた「10アンダー」には2日で届いてしまった。米国女子ツアー優勝という偉業達成は現実味を帯びてきた。「今日は本当に楽しかった。明日もワクワクする。優勝争いをすればプレッシャーはかかってくるので、自分をうまくコントロールして付き合っていきたい」と頂点へ突き進む。