藍、米ツアー5勝で岡本綾子を超え「光栄です!」
米国女子ツアー「セーフウェイクラシック Presented byコカコーラ」で、初日から首位に立つと、3日間首位をキープして今季5勝目を果たした宮里藍。結果的には2位に2打差となったが、最終日は苦しい中で我慢を続けた末の勝利だった。
2番で1.5mのパーパットがカップに蹴られてボギーが先行。このあたりから雨が激しくなった。「前半は雨が降ったり、止んだりの繰り返しでグリーンでは少なからず読みの影響はあった。グリーンのスピードが落ちていて、バーディチャンスについてもなかなか入らなかったけど、9番ぐらいから風が出てきてグリーンも乾いてグリーンのスピードが戻ってきた」。
宮里が9番のティグラウンドにつくと、そこでは2組前の選手がティショットを打つところだったので、長時間待たされることになる。その間、ギャラリーにサインをするなど、張り詰めた緊張感から解放されるようにリラックスした時間を過ごした。
そして、その9番パー5で4mのバーディパットを沈めると、続く10番パー5でも2打目がグリーン右サイドのバンカーに捕まるが、2mに寄せてバーディを奪う。「9番で自分によし、やるんだって思ったのが勝ちにつながった」と、前半の悪い流れを断ち切った宮里は、改めて自分のプレーに集中した。
最終18番は1つ前の組でラウンドするクリスティ・カーが2打目を池に入れてしまいボギーを叩いたが「自分のことだけに集中したかったので、自分が打つまではフェアウェイをみなかった。ミックがセカンドで『シチュエーションを知りたいか』と聞いてきたけど、『たぶん知ってると思う』と。なんとなくギャラリーの反応で池に入れたんじゃないかとわかったけど、それがパーなのかボギーなのかはわからなかった」。最後まで自分のプレーに徹した宮里は、18番も2オンに成功し、残り6mを危なげなく2パットで締めくくった。
この優勝で、岡本綾子が1987年に挙げた年間4勝を上回ることになった。「光栄です」と言った後「あまりアウェイとは感じてないですね。アメリカでも応援してくれるファンは増えてきているし、ありのままの自分を受け入れてくれている。必ず日本代表で勝ちたいという意識じゃなくて、人として受け入れてもらえるのは大事」と、海外の選手でも分け隔てなく応援するギャラリーを味方につけて戦っている。
宮里の今季最大の目標「プレーヤー・オブ・ザ・イヤー」に向けて、また一歩前進する。